目次
レンソイス・マラニャンセス国立公園
ポルトガル語で「マラニャン州のシーツ」を意味するレンソイス・マラニャンセス国立公園は、約15万ヘクタールにわたり真っ白な砂丘が広がる砂漠です。砂が石英でできていることから真っ白に見えます。
この砂の出所は、レンソイス砂漠から100キロほど南のパルナイーバ川です。上流から流されてきた土砂の中に、石英(水晶)が含まれています。土砂は数万年の年月をかけて波にもまれながら、まるく削られて石英(水晶)だけが残ります。北西に向かう沿岸流に少しずつ流されながら、レンソイス砂漠に面した海岸に辿りつきます。
こうしてレンソイスの海岸に打ち上げられた砂は、大西洋からの強風により、内陸へ内陸へと吹き飛ばされて行きます。気の遠くなるような時間の流れと、川や海流や風の絶妙なバランスにより、レンソイスに白砂が供給されています。
1~6月、砂漠にも雨季が訪れます。半年の乾季の間に乾ききった砂漠の地中に、水がじわじわと染み込んで行きます。
湖が出現するのは、6~9月のわずか3ヶ月ほどです。雨季の最後~乾季の初めにかけて、地中に染み込んでいた水が満水となり、地表に染み出してきます。こうして砂漠の窪みに現れるのが、多い時には約2万個とも言われるレンソイスの湖です。
乾季が進んでいくと、少しずつ水位は下がり、やがて消失していきます。
10月から水はひき始めて枯れてしまいますが、魚やカメや植物が生息しています。乾季の間、どのように動植物が生息するのかは、いまだ謎に包まれています。
レンソイスの東側にあるプレギサス川の小レンソイスを訪れると、砂は黄色く、白いレンソイスとは明らかに色が違うことに驚きます。