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ウルバンバ谷の小さな村:ケチュア族のミスミナイ
クスコから丸一日を使って、ウルバンバ谷を巡ります。
撮影ツアー(フォトツアー)の今日のテーマは、地元の人々の生活風景を撮ることです。
朝少し早くクスコを出発して、ウルバンバ谷へ。
最初に立ち寄ったのは、マラス村です。
朝早く出発した理由は、村人の生活も朝早いからです。
畑仕事に向かう人々は、陽が高くなる前に、家を出るでしょう。
そのような生活風景を撮るのも、ちょっとしたテーマでした。
道端で草を売るオバチャン
この草は、食用モルモット・クイの餌です。
写真撮影の許可をいただき、さりげなく果物やお菓子を渡すことも忘れません。
この辺のさりげない気遣いが、地元の生活風景の写真撮影には必須となります。
気遣いができる優秀な現地ガイドにお願いしたおかげで、うまく地元の人々の了解をいただきながら写真を撮ることができるのです。
村外れの農道を走っていると、牛を連れて畑に向かう家族がいました。
平ではない斜面に畑があることが多く、機械ではなく、牛が畑を耕すのに今も現役で活躍しているのです。
とはいえ、このペルーの山奥の農村にも、機械化は徐々に進んでいます。
収穫を控えて、ライ麦畑は、金色に輝いていました。
近年ツーリストの受け入れを始めたミスミナイ村へ
村の入口付近で、ウルバンバ山群の写真を撮っていると、なだらかな丘陵伝いに老婆が歩いてきました。
村の人からするとごく当たり前の景色を前に、ツーリストが熱心に写真を撮っているので、なにやら気になっているようでした。
村の門が見えてくると、太鼓とケーナの音も聞こえてきました。
ミスミナイ村の村人が歓迎してくれているのです。
昨年に引き続き、2回目の訪問となるお客様が、昨年撮影した写真を村人に渡しました。
写真はとても喜ばれます。
村では、農作業を体験しながら、豊穣を祈る神様への儀式にも参加させてくれます。
少しチチャ(トウモロコシの発酵酒)を飲みながら、少し酔っ払って楽しく働きます。
トウモロコシの皮をむくような簡単な作業を手伝わせてもらいました。
農作業だけではなく、女性の仕事も見せていただけます。
織物はとても興味深いです。
糸を紡ぎ、天然の染料を使った染色も見せてくれます。もちろん機織りまでも見れます。
手織りの織物は、ミスミナイ村の貴重な収入源となるのです。
アテンドしてくれるのは、大体が一家族です。
家族みんなでもてなしてくれる感じです。
女性は手を休めず、何か働いているので、音楽を奏でるのは男の役目なのでしょう。
村の生活を見た後は、村外れの丘へハイキングします。
軽い散策とはいえ、標高は約3,800mです。
登りはすぐに息が切れてしまいます。
先頭を歩く村人は、ツーリスト相手にスペイン語を上手に話す若者です。
まだ外国人が来るようになり、ほんの10年程度。
スペイン語よりもケチュア語で日常生活を送る村人は多くいるのです。
丘の上から望む景色は、なかなか絶景です。
眼下に、円形のモライ遺跡を望めます。
この遺跡はとても貴重な遺跡で、かつてここは農業試験場として利用されていたと言われます。
ここで品種改良がされて、インカ帝国全土に種子が送られていたのです。
こうしているうちに、もうお昼近くとなりました。
ミスミナイ村で生活風景を見学していると、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
お昼ご飯は、ウルバンバ谷で、とっておきのレストランで食事です。
そろそろ空いてきたお腹を抱えて、ウルバンバ谷の谷の中へ向かいます