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ピレネー山脈の穀倉地帯・ソモンターノ
ウエスカの町を出ると、小麦やブドウの畑がどこまでも広がっています。
細い農道を通り、ピレネー山脈の支脈であるガラ山地を目指します。
ピレネー山脈の南麓は、西はウエスカから東はカタルーニャ州のレリダ付近まで、広大なモネグロス平野は山脈の水で灌漑した肥沃な穀倉地帯です。
ソモンターノ地方は、ウエスカとバルバストロの間にある標高600m前後の高原地帯です。ピレネー山脈の主脈には雲がぶつかるために降水量が多く緑の多い風景です。
しかし、ピレネー山脈の南の外れにあるソモンターノ地方にはその山脈の雲もほとんど届かず、年間を通して青空の多い乾燥した気候です。
“ソモンターノ”とは、ローマ時代のラテン語で“山の下”を意味するそうで、奥地のグアラ山地はピレネー山脈の南の支脈で「シエラ・イ・ロス・カニョネス・デ・グアラ自然公園」に指定されています。
この地域はその乾燥した気候からワインの産地としても知られ、地域の中心の町である“バルバストロ”の名でも有名です。
人口160人の小さな村・アダウエスカ
黄金色に輝く小麦畑の向こうに、中世の時代を思わせる教会の尖塔と小さな街並みが見えてきました。
イスラム教徒がこの地を占領した時代、北のピレネー山脈の山中で抵抗を続けるキリスト教徒と戦う最前線が、アダウエスカから街道を北へ向かったガラ山地のアルケサル城塞です。
アダウエスカはこの城塞(アルケサル)に物資を送るための拠点として機能していました。
キリスト教徒が奪還した後は、この戦略的な道路は交易の道路として「バルバトロス街道」と名付けられました。
バルバトロス街道を北へ、「スペインで最も美しい村」にも挙げられる城塞の村・アルケサルへ向かいます。
▲アルケサル