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アルゼンチン北部のサルタ地方と、虹の谷「ウマワカ渓谷」とは
アルゼンチン北部のサルタ地方は、ボリビアやチリ国境に近いアンデス山脈の地域です。インカ帝国の時代には帝国の辺境地区として栄えたことから、今もインカ帝国の末裔であるケチュア族の人々が多く暮らします。
アルゼンチンの人口構成の9割以上がスペイン系・イタリア系の移民で成り立ちますので、ケチュア族の人々は少数派で、その多くがサルタ地方にいます。
白人の国でありながら、サルタ地方の文化圏はボリビアやペルーに近い不思議な地域なのです。
このサルタ地方の中で、インカ文明の名残を強く残すのが“虹の谷”と呼ばれる「ウマワカ渓谷」です。
①ウマワカ渓谷の基点・プルママルカ村
ウマワカ渓谷は、不思議な色の地層が剥き出しになることから、太陽の角度に応じて虹色に輝きます。このことから、ウマワカ渓谷は「虹の谷」と呼ばれます。
この渓谷地帯で基点となるのが、プルママルカ村です。周囲の岸壁は虹色の地層が露出していて、青空と虹色の崖のコントラストが美しく、不思議な景勝地です。
その雰囲気は、アメリカのセドナに似たところがあり、パワースポット巡りで訪れる人もいます。
村の中央広場では、ケチュア族の人々による民芸品市場が開かれていて、その雰囲気はペルーやボリビアの田舎に似ています。
そして、村から少し離れた宿に宿泊すれば、ホテルから虹の谷や満天の星を望むことができるのです。
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②14色の山「オルノカル」
虹の谷・ウマワカ渓谷の中で、最も美しい景勝地が「オルノカル」です。“14色の山”と呼ばれ、屏風のような山肌の全体にわたり、地層の断面が露出しています。この断層面の輝きは“虹色”を超すともいわれ、2倍の規模“14色の山”と呼ばれるようになりました。
これほど規模の大きな断層面は南米大陸でも珍しく、ペルーのレインボーマウンテンに並ぶ「虹の山」です。
この山の最も美しい時間帯は、夕日の時間です。太陽の斜光線が山に当たると、断層面は見事に浮き上がって見えるでしょう。
展望台は標高4200mの高所にあるので息が切らしながら歩くことになります
③サリーナス・グランデス塩湖
オルノカルに並ぶ景勝地として有名なのが、サリーナス・グランデス塩湖です。茨城県とほぼ同じ面積の巨大な塩湖で、ボリビア・ウユニ塩湖のように、塩の大平原が地平線まで広がります。
ボリビア南部・ウユニ塩湖、チリ北部・アタカマ地方、アルゼンチン北部サルタ地方は一つの円で囲む広大なエリアは、世界のリチウムの算出量の多くを占める重要な場所でもあります。
ウマワカ渓谷からアンデス山上の大平原「アルティプーラノ」に位置するサリーナス・グランデス塩湖は標高4000mに位置する天上の世界です。
④インカの城塞遺跡・ティルカラ
ウマワカ渓谷の中心部に位置するティルカラ遺跡は、かつてインカ時代には城塞の役目を果たしました。ウマワカ渓谷にはインカ時代にも鉱山がたくさんあったので、ティルカラ遺跡が鉱山の治安に睨みを利かせる役目を果たしました。また、渓谷を南北に繋げる街道沿いにあることから、関所の役目も担ったと言われます。
遺跡は小高い山の斜面に張り付くように山頂まで建造物が覆ってイアス。今ではサボテンがその遺跡を覆っていて、サボテン林と遺跡が織りなす景色は、アート作品のようでもあります。
山頂の遺跡からは、ウマワカ渓谷を南北に広く見渡すことができ、インカ人がなぜここに遺跡を築いたかを理解できるでしょう。
ウマワカ渓谷を巡るために
ウマワカ渓谷は、アンデス山脈の奥地にあるために、まだまだ交通手段は少ない秘境です。
専用車を利用することで、サルタ発着3~4日で巡るのがお勧めです。
弊社では、ウマワカ渓谷の絶景ポイントを巡る旅を手配します。