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風景写真家・松井章のブログ

ギアナ高地のテーブルマウンテン:ロライマ・テント泊トレッキング

地球最古の大地・ギアナ高地

地球最古の大地と言われるギアナ高地は、一説には20億年の歴史を持つと言われます。大陸移動(プレートテクトニクス)の回転軸に当たることで、ギアナ高地は動くことはなく太古の風景をそのまま維持しているのです。

火山や地震も隆起などの活動もないギアナ高地では、土地は風化により今の地形を作り出しました。20億年前の堆積岩の硬い部分だけが残り、柔らかい部分は雨・風に削り落とされました。
ギアナ高地に100以上あると言われるテーブルマウンテンはこうして出来上がりました。

固有種の宝庫:テーブルマウンテン

密林から屹立したテーブルマウンテンは、下界との交流を断絶する壁として、山上の生物は独自の進化を遂げました。

今でも、ロライマの山上には、跳ぶことのできない原始のカエルが存在します。カエルを始め、テーブルマウンテンごとに固有種が存在するほどに、テーブルマウンテン同士の交流も断絶されています。特に植物の固有種は多く、植物の約75%に当たる4000種が固有種と言われるほどです。

テーブルマウンテンの山上には、独特な雰囲気の植物が多いのですが、特に多いのは、パイナップル科の植物です。筒状の葉で雨水をうまく受ける形の“ブロッキニア”などは、下界ではなかなか見れない形です。また、食虫植物の多さも特徴です。
これは、世界でも屈指の天候の変化が激しいギアナ高地において、水は多いのですが、砂岩のテーブルマウンテンがあまりにも水はけが多いことも影響しています。降る雨はたちまち下界に流れて行ってしまうのです。
この水はけの良い地質が、植物に効率的な栄養や水分の確保ができる進化促し、独特な形状の植物が生まれたのです。
そして、エンジェルフォールのような巨大な滝もまた、この水はけの極端に良い地質が影響して、雨が降るとたちまち幾つもの巨大な滝を形成するようになりました。

ギアナ高地の大草原:グラン・サバナ

テーブルマウンテンの麓には、ジャングルが広がるイメージがありますが、実際には広大な草原が広がります。もともとはギアナ高地全体が密林に覆われていたと言われますが、1000年ほど前に住み着いた先住民ペモン族が焼き畑をすることで、多くのジャングルが草原に変わったと言われます。

大草原の地平線に、いくつものテーブルマウンテンを望むのは、ギアナ高地ならではの絶景です

ロライマ山・テント泊トレッキング

このテーブルマウンテンの中で、トレッキングできるのが、「ロライマ山」です。この軍艦のような形のロライマは、ギアナ高地で最も美しい形のテーブルマウンテンでもあります。
ジュール・ヴェルヌの小説「失われた世界」や、映画「カールじいさんの空飛ぶ家」では、このロライマが舞台となりました。
ロライマは絶壁の一部が崩壊しているので、トレッキングで山上の世界に簡単にアクセスできるのです。
といっても、テント泊トレッキングで最低5泊6日は必要となります。

山麓の大草原と密林を歩く

山麓では、広大な草原を歩きます。森と草原の凹凸をいくつか越えて、徐々に2つの軍艦のようなテーブルマウンテンを展望しながら歩きます。一つはロライマ山で、もう一つはクケナン山です。ロライマ山の横に見えるクケナン山に大きな滝が見えます。この滝は世界第4位の高さ(610m)を誇るクケナン滝です。

ロライマ山麓に着くと、山にへばりつくような樹林帯に入ります。鬱蒼と茂る木々の根に気を付けながら進むと、ロライマの岸壁に辿り着きます。約900mの絶壁です。垂直の絶壁ですが、歩いていると、斜めに階段状にうまく崩壊した部分があるのが気づくでしょう。
この崩壊箇所はトレッキング・ルートして整備されています。
この登りを越えると、ロライマ山上に到着です。

山上の別天地・ロライマ

山上に辿り着くと、世界が下界とは全く異なることに気づくでしょう。下界ではTシャツ1枚で暑いほどですが、ここでは少し肌寒いほどです。一見すると平らに見える山上台地は岩石に切れ目が多く、進むのも一苦労です。

山上では、下界とは全く異なる気象で、雨がバケツをひっくり返したように突然降ることがあります。キャンプは、岩に覆われた岩屋の中にテントを張ります。

ロライマ山上では、最低2泊、または3泊して、山上の世界を歩きます。
ロライマ最高地点マーベリック(2810m)、水晶の谷、絶壁の展望台は必ず訪れるポイントです。
滞在日を2日確保できる場合には、ロライマ山上にある3国国境地点に行きたいところです。キャンプから往復8時間のハードな行程ですが、ベネズエラ、ブラジル、ガイアナの陸の国境に立つことができます。近くには、巨大な水晶の谷もあります。

アンディーナトラベルのロライマ・トレッキング

アンディーナトラベルのロライマ・トレッキングでは、専属トレッキング・ガイドに加えて、アシスタント兼コック、多数のポーターが同行します。
テント、マット、寝袋、テーブル、椅子、トイレ・テント、食事、などは現地で用意して、ポーターが全て運びます。また、個人装備の一部(約5キロ前後)はポーターが運ぶので、自分が担ぐ荷物はその日に必要な装備(日帰り装備)だけで歩けます。

モデルプラン:往復テント泊トレッキング

1日目:
国際線で、マイアミ発。
ベネズエラの地方都市、バルセロナ着。専用車で地方都市プエルト・オルダスへ(所要約4時間)。

2日目:専用車で、ロライマ山麓のパライテプイへ(所要約9時間)

3日目:トレッキング開始。テク川・キャンプへ。※川の渡渉が2回あります。
4日目:ロライマBCへ。
5日目:ロライマ山上へ。
6日目:ロライマ山上滞在日。最高地点マーベリックや水晶の谷へ。
    ※1日追加で「3国国境地点の往復」も可能です。
7日目:下山開始。テク川キャンプへ。※川の渡渉が2回あります。
8日目:パライテプイへ。トレッキング終了
9日目:専用車で地方都市プエルト・オルダスへ(所要約9時間)
10日目:専用車でバルセロナへ(所要約4時間)。
    ※希望があれば、オプショナルで、オリノコ川とカロニ川と2河川合流地点のボート観光も可能です。
   午後、国際線でマイアミへ。

関連リンク:ギアナ高地

パタゴニアの名峰フィッツロイ展望:テント泊トレッキングの魅力

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