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石切り場(採石場)に隠されたマチュピチュの謎
石工職人の区域を抜けて、少し奥に行くと、「石切り場(採石場)」エリアです。
ここから石を切り出して、石工職人の作業小屋で加工されてから、マチュピチュ遺跡の建材として使用されていました。
この区域に来ると、石はまだ採石の途中であったことは明らかです。建築物にはミリ単位で細かい設計をしたインカ人ですので、岩をゴロゴロに放っておくはずがありません。
そこからは推測になりますが、何か緊急事態が起こって、マチュピチュ遺跡の建設は途中で中断・放棄されてしまったことが伺えます。
おそらく16世紀前半のスペイン人による侵略が影響したことは間違いないでしょう。
コンキスタドール(侵略者)と呼ばれる、フランシスコ・ピサロ率いるスペイン人はインカ帝国から黄金を収奪します。さらに、アマゾンの奥地にあると考えられた「エル・ドラド(黄金郷)」を求めて、スペイン人はアンデス高原からアマゾンへと向かいます。
マチュピチュ遺跡はその通り道にあったので、人々は遺跡への一本道を閉ざして、そのまま300年くらいジャングルに埋もれることになったのです。
当時のインカ帝国を襲ったであろう悲劇的な滅亡の末に、いまマチュピチュは静かにたたずんでいます。そのような歴史を知ったうえでマチュピチュを訪れたいものです。
ひと味違う絶景を望む
巨大な石が転がる丘の上に登ると、マチュピチュ遺跡とワイナピチュ山を目の前にすることができます。
マチュピチュ遺跡の風景の中でも、ここは特に気に入っています。
打ち捨てられた石ころの向こうに、荘厳なマチュピチュ遺跡とワイナピチュ山がある風景は、まさに絶景です。
石切り場はマチュピチュ遺跡のほぼ中央部、神殿の近くの高台にあることから、採石が完了した後には、何らかの建築物を建てる予定であったと思われます。
完成したマチュピチュに人が暮らす景色はどんなものだったのだろうかと思いを馳せながらマチュピチュ遺跡を歩くのも、楽しみ方の一つです。
撮影機材
★撮影機材:(ボディ)SONYα7R IV、(レンズ)ZEISS Batis 2/25, SAMYANG AF 35-150mm F2-2.8 FE, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN