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風景写真家・松井章のブログ

ペルー・ブランカ山群:南米随一の山岳展望と気象変化について

ブランカ山群(ワスカラン国立公園)の氷雪峰


南米大陸を縦断する長大なアンデス山脈は、北端のベネズエラから南端のパタゴニアまで、南北約7500mもあります。
なかでも、特に標高が高く6000m峰が17座も集中するのが、ペルーのブランカ山群です。

ブランカ山群は南北約200km続く山脈で、「ブランカ」を日本語に訳すと「白い」を意味します。今から100年ほど前は、文字通り山脈そのものが真っ白な氷河に覆われていたことから名付けられました。
ほぼ赤道直下にも関わらず、ここでは巨大な「熱帯氷河」を見ることができます。


▲ペルー最高峰ワスカラン(6768m)とルピナスの原種

いま、アンデス山脈の各地では、氷河の後退が著しく進んでいます。
かつて氷河に覆われていた谷から氷河は消えて、まだ木さえも生えていない場所があります。
1970年代から30年だけでも、氷河の面積は6割以上も減少しているそうです。

氷河の水は、山麓で農業を営むケチュア族に人にとって死活問題です。氷河が消失して砂漠化が進めば、山麓の人々の生活は息詰まることでしょう。
それは紀元前から続く伝統文化が消えてしまうことも意味します。

見事に山を覆う氷雪峰の氷河は年々縮小を続けていることを考えると、早くアンデスの名峰を写真に収めなければと思います。
山の表情、山容は年ごとに微妙に変化しているからです。
日に日に失われる氷雪の山岳展望は、もう数万年、あるいは数十万年先まで戻らないかもしれません。

▲朝日に照るワンドイ(6395m)

そう思うと、大きな焦りを感じるのですが、アンデス山脈はあまりにも大きく、再訪するべき場所も無数にあります。

このブランカ山群は、ペルー最高峰であるワスカラン(6768m)にちなみ「ワスカラン国立公園」としても知られ、世界遺産にも指定されています。
山歩きのルートは無数にあり、日帰りハイキングからテント泊トレッキング、そして山岳写真用のアレンジも可能です。

5月に乾季が始まると、高山植物が花を咲かせるベストシーズンです。
そのまま9月頃までは天候は安定しているでしょう。

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