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ペルー・アンデス山脈の名峰アウサンガテの山麓へ
ケチュア族が暮らす田園地帯を抜けて、さらに標高を上げると森林限界を越えました。
赤道に近いペルーでは、森林限界の標高は4000mくらいです。
木も生えない大草原に着くと、アウサンガテ峰(6372m)のどっしりとした山容がいよいよ間近に迫ります。
標高差2000mの岸壁はまるで巨大な屏風のようです。
一見すると何も無い荒涼とした草原ですが、アルパカにとっては楽園のような場所です。
日本では考えられないほどに広大な草原で、目を凝らせばあちこちで、アルパカが草を食んでいます。
群れに近づくとすぐに距離を取られてしまうので、追いかけているうちに、4200mほどの小山を一つ越えてしまいました。
アルパカはすべて放牧ですので、どこかで飼い主がいるはずですが、その群れの飼い主は近くには見当たりません。不思議なことに、人の庇護を受けるアルパカですが、群れの中には必ずリーダーが生まれます。
リーダーは仲間が草を食む間、高台から周りを監視しています。
私の動きも筒抜けなので、リーダーの指示でアルパカ達は遠ざかってしまいます。
アルパカの毛は高値で取引されています。特に最近はアルパカの毛を扱う高級ブランドがいくつもあるので、とても良い現金収入になるようです。
人の気配が希薄なアンデスの高原では、音といえば風の音と、地面を踏む自分の足とくらいです。
見上げるように巨大なアウサンガテの氷雪の峰を望みながら、アルパカの群れを追う、この幸せを噛みしめながら撮影をしていました。
撮影機材
★撮影機材:(ボディ)SONYα7R IV、(レンズ)ZEISS Batis 2/25, SAMYANG AF 35-150mm F2-2.8 FE, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN