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自然に調和するマチュピチュの建造物
マチュピチュ遺跡が、世界の遺跡の中でも特に美しいのは、自然に調和しているためではないだろうか。
断崖の上に建てられたマチュピチュ遺跡は、地形に合わせて逆らうことなく建造物が建っています。
ここはアマゾンが近いために、雨季になると毎年鉄道の線路が寸断されるような過酷な立地条件です。それでも500年以上も崩壊しない理由は、自然に溶け込むように設計されたためと言えるでしょう。
背後にそびえるワイナピチュ山とともに、マチュピチュ遺跡は自然と一体の風景を作り出しています。
人はそのような調和に“美”を感じるために、マチュピチュ遺跡は世界中のツーリストが興味を持ち続けるのです。
インカ人の信仰との関係
アンデス山脈でインカ帝国が栄えた時代は12世紀頃から16世紀にスペイン人の侵略により断絶するまで、約300~400年ほどです。この期間にインカ帝国は南米大陸に広大な領土を得て大きな影響を及ぼしました。
そのインカ帝国も突然生まれたわけではなく、少なくとも紀元前500年頃から、プレ・インカ時代(先インカ時代)の長い文化の蓄積があり、その結果としてインカ文明があります。
プレ・インカ時代から、この地域で栄える中心となったのが先住民ケチュア族の人々です。
彼らは、世界の多くの地域で発生した信仰と同じく、“万物を敬う”アニミズム(多神教)的な信仰でした。
山や森、そして石にも神が宿ると考えたケチュア族にとっては、石を削り、積み上げる作業も、信仰の一つであったのかもしれません。
太陽の観測所としてのマチュピチュ
マチュピチュ遺跡は祭祀センターとして建てられたと考えられています。
首都クスコから参道のような道が通じていますが、ここに来ることができたのはおそらく一部の人のみが許された神聖な場所でした。
太陽神を崇める場であり、代わりに天啓を得る場でもあったのでしょう。
当時は“天啓”という類のものですが、現代でいえば“天文学”と言ってよいと思います。
太陽の運行を観測することで、農業の種まきの時期などを決めていたのです。
マチュピチュ遺跡で最も美しい時間は、朝日の時間です。
渓谷に陽の光が差し込む瞬間、遺跡が闇から浮かび上がる光景は、まさに神秘的です。
そして、この時間に遺跡を見ていると、住人のいなくなったマチュピチュは、今もまだ太陽の観測を続けているような気がしてならないものです。
ペルー関連ページ
マチュピチュ遺跡を巡る①:絶景スポット「見張り小屋」
マチュピチュ遺跡を巡る②:迷路のような遺跡内部“市街地”へ
マチュピチュ遺跡を巡る③:“居住区”の建物群とワイナピチュ峰の絶景
マチュピチュ遺跡を巡る④:絶景の展望台“石切り場”
マチュピチュ遺跡を巡る⑤:段々畑「アンデネス」が象徴するインカの農耕技術
マチュピチュ遺跡を巡る⑥:ワイナピチュ山から俯瞰する絶景
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