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コルカキャニオンへの道程
飛翔するコンドルを間近で観察できるコルカキャニオン(コルカ渓谷)へは、古都アレキパから往復1泊2日で巡るのが一般的です。コルカキャニオンへの道程では、標高4000~5000mの高原地帯「サリーナス・イ・アグアダ・ブランカ自然保護区」や、アンデスの奥地のチバイ村を訪問して、ようやく到着するのがコルカキャニオンです。
コルカキャニオンの入口:チバイ村
アレキパから車で約3時間で到着するのが、アンデスの山奥という雰囲気のチバイ村です。
標高は3600mのチバイは、刺繍の伝統工芸が有名です。人々は花や動物をモチーフにした精緻な刺繍の服をまとっています。
その他のアンデス地域では主に織物が伝統工芸ですので、チバイに来ると人々の服装がその他のアンデス地域の人々とは異なることに気付くでしょう。
谷を覆う段々畑の絶景
チバイからコルカキャニオンにかけて、山の斜面は段々畑に覆われています。これらの段々畑はインカ帝国よりもはるかに古い先インカ時代から耕されているものです。今も現役で継承されている段々畑は、全てが遺跡と言っても良いでしょう。
コンドル舞うコルカキャニオン
コンドルが飛ぶには風や上昇気流が必要です。飛ぶ鳥としては世界最大級で体重7~15キロの巨体を宙に浮かせるために、大きな翼は広げると翼長は3mに及びます。この翼は羽ばたくためではなく、風を掴んで滑空するためにあります。
風の無いところでは飛ぶことはできず、風の少ない平地に下りてしまえば数十メートルの助走が必要となるでしょう。
しかし、ひとたび空に飛び立てば数十キロもグライダーのように滑空して移動することができるのです。南米大陸にはコンドルは広く生息していますが、生息地に共通しているのは「強風」が吹いているということでしょう。
コルカキャニオンはチバイ村から西にある渓谷です。朝、車で約40分ほどかけて標高3900mの展望台(クルス・デル・コンドル)へ向かいます。
陽光が渓谷に射し込む9時頃から、コンドルが現れます。標高差500mくらいの深い谷底から上昇気流が吹き始めると、岸壁にある巣からコンドルが飛び立つのです。
展望台の付近に巣があるためか、旋回するコンドルが一羽、二羽と増えてきます。旋回しながら高度を徐々に上げるときに、コンドルは展望台の目の前を飛ぶので、至近距離で観察できるでしょう。
南米大陸にはコンドルの観察ポイントはいくつもありますが、これほどの至近距離で飛翔するコンドルを見ることができるのは、おそらくコルカキャニオンだけではと思います。
コンドルをよく見ると、幼鳥も混じっていることに気付きます。成鳥は立派な襟巻上の白い羽毛に首が覆われていますが、幼鳥は襟に白い羽毛が無く、小柄であるからです。
成鳥はまるで幼鳥に飛び方をレッスンするかのように先導して、幼鳥の前後左右を飛んでいます。幼鳥はすぐに疲れてしまうのか、何羽もの幼鳥が展望台の目の前の岩棚に着地して休憩していたりします。
コンドルによるショータイムは1時間ほどで終盤を迎えます。旋回するコンドル達はさらに標高を上げて、最後は方々に散って行きます。おそらく食事となる死肉を探しに行くのでしょう。
コンドルが舞う時間は1時間ほどですが、その雄姿を間近で望むために1泊2日を使う価値は十分にあります。さらに途中ではラクダたちの楽園を抜けて、チバイ村では刺繍の民族衣装を纏う人々の生活風景も見ることができるからです。
▲世界最大級のハチドリ
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