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大迫力の山岳展望:サルカンタイ・トレッキング
ペルー・マチュピチュ遺跡へ歩くインカトレイルは有名ですが、他にもマチュピチュへ向かうルートはいくつかあります。
その一つとして近年とても欧米人に人気があるのが「サルカンタイ・トレイル」です。
このトレイルは、マチュピチュ周辺の険しい渓谷が連なるビルカバンバ山群の最高峰・サルカンタイ(6271m)をぐるりと半周するルートです。
サルカンタイ峰は、ビルカバンバ山群の最高峰として壮大な氷雪を湛える巨大な山塊です。トレッキングでは、サルカンタイ峰の直下に迫り、大迫力の展望ルートを歩きます。
前半はサルカンタイ峰を望みながら、標高の高いアンデスらしい草原を歩きます。森林限界を越えていますので、視界を遮るものがない草原で雪山を望みます。3500~4500mのアンデス高原の典型的な風景です。
トレッキング中盤以降は、標高を下げて、温帯雨林へと入っていきます。樹上に咲くランを始め、多くの花や野鳥などを観察しながら深い森を歩きます。アンデスの高原から温帯雨林へのダイナミックな展望と自然の変化が、このトレッキングの魅力なのです。
霊峰サルカンタイとインカ古道
これらの森は、サルカンタイ峰の氷河から流れ出す水に養われています。豊かな森の源が氷雪峰にあることを、インカ文明以前のさらに昔に人々は気づき、氷雪峰を「アプー」と呼び崇めました。アプーとは「精霊」という意味です。
そして、サルカンタイ峰は「アプー・サルカンタイ」と呼ばれ、今でも地元の人々にとって霊峰として崇められる存在です。
霊峰サルカンタイを展望する迫力のルートは、古代インカの人々が歩いたインカ古道でもあります。サルカンタイ・トレイルがもう一つのインカトレイルと呼ばれる所以です。インカトレイルのように遺跡があるわけではありませんが、道中の道は古代から受け継がれたインカ道なのです。
トレッキング最終日には、森の高台から、マチュピチュ遺跡を遠望できるでしょう。
トレッキングはマチュピチュ遺跡を遠望した後で、谷に降りて、マチュピチュ村がゴールとなります。マチュピチュ遺跡には、翌日にシャトルバスで行き、遺跡観光を行います。できれば、この時にはマチュピチュ遺跡のシンボル、ワイナピチュ峰にも登りたいところです。
モデルプラン:テント泊縦走 サルカンタイ・トレッキング
1日目:深夜、リマ着
2日目:午前、クスコ着。「クスコ市内観光とサクサイワマン遺跡」。クスコ泊
3日目:【サルカンタイ・トレッキング 1日目】
トレッキング・ガイドとともに、トレイル出発点(3650m)へ。
サルカンタイ峰やウマンタイ峰を望みながら、大草原のキャンプ(4200m)へ。(徒歩約6時間・11km)
テント泊
4日目:【サルカンタイ・トレッキング 2日目】
トレッキングで最も大展望のサルカンタイ峠(4638m)を越えて、サルカンタイ山麓のキャンプ(2890m)へ。(徒歩約9時間・17km)
テント泊
5日目:【サルカンタイ・トレッキング 3日目】
さらに標高を下げて、温帯雨林の中を歩きます。キャンプ(2135m)へ。(徒歩約8時間・15km)
テント泊
6日目:【サルカンタイ・トレッキング 4日目】
トレッキング最終日は、リャクタパタ峠から、マチュピチュ遺跡を遠望します。サルカンタイ・トレイルを歩く人だけが見る展望です。谷底に降りて鉄道に乗り換え、マチュピチュ村へ。(徒歩約5時間・8km)
ホテル泊
7日目:「マチュピチュ遺跡観光と、ワイナピチュ登頂ハイキング」
ガイドと、シャトルバスでマチュピチュ遺跡へ。
「マチュピチュ遺跡観光と、ワイナピチュ登頂ハイキング」
昼食後、マチュピチュ遺跡から、マチュピチュ村へ下山。
鉄道でウルバンバ谷のオリャンタイタンボへ。
専用車に乗り換えて、クスコ空港へ。
国内線でリマへ(または、日程に余裕のある方は、クスコ泊がお勧めです)