Loading

風景写真家・松井章のブログ

パタゴニアの風が創る空の絶景:レンズ雲

パタゴニアの絶景に欠かせないレンズ雲

パタゴニアの空に浮かぶ雲は、とても不思議な形をしている。
絵筆で書いたように、どこか異世界的な雰囲気を漂わせて、ときにUFOのような形で空に浮かぶ。
パタゴニア名物ともいえるこの雲は、レンズ雲です。

不思議なレンズ雲がいくつも浮かんでいると、ついつい空ばかりを見上げてしまいます。パタゴニアでは空はとてつもなく大きいので、雲を観察するのはとても簡単なのです。

パタゴニアの絶景は山や氷河だけではなく、雲もまたパタゴニアの重要な絶景の要素です。

レンズ雲とは


この不思議な雲は、レンズ雲と呼ばれる高積雲で、日本では傘雲(笠雲)や吊るし雲(つるし雲)とも呼ばれます。富士山の上空に現れる傘雲は有名で、パタゴニアのレンズ雲と同じ条件で発生します。

レンズ雲が発生するのは主に標高5000~10000m前後で、そこに強風が吹いているときに発生します。
地上で風があまり吹いていないとしても、レンズ雲の高さではとても強い風が吹いているのです。

このレンズ雲を朝日や夕日が照らせば、見事な色に染まります。まるでオーロラのように摩訶不思議、妖艶に空を舞います。

それはときに、この世の景色とは思えないほどの迫力で、壮大な自然が作り出す劇を見ているようです。

日本では強風は低気圧や前線が原因で吹くことから、レンズ雲は悪天候の予兆と言われることもあります。

しかし、パタゴニアでは、天候は常に激しく変化する土地で強風が普通なので、レンズ雲は頻繁に空に浮かび、悪天候の予兆とはいえないでしょう。

レンズ雲とパタゴニアの強風


何度もパタゴニアを訪れていると、レンズ雲を見てやっと自分がパタゴニアにいることを実感できるものです。
それはパタゴニアに吹く強風に打たれた時にも感じる感情です。

パタゴニアの全て、あるいは地球の森羅万象において、「風」は重要な自然の要素です。特にパタゴニアでは、山も氷河も草原も、全ては南極大陸の周囲を循環する「南極還流」による偏西風が発端です。

パタゴニアで暴風に身を置いているときには、自分がパタゴニアにいることを最も実感できます。

森羅万象に相互作用する“大気の揺らぎ”である「風」を、パタゴニアでは心身で感じることができる。
その風が創り出す「レンズ雲」は単なる現象を超えた、大気による「創造物」なのでしょう。

関連ページ:パタゴニア

「パタゴニア」ブログ関連記事集




フォトギャラリー:パタゴニア

関連動画:パタゴニア

「アンディーナトラベル&松井章 写真事務所 チャンネル」

https://www.youtube.com/user/AndinaTravelJP/
==★チャンネル登録はこちらをクリック★==
→→→ http://bit.ly/38DHeGc

日本の夏を象徴する花火:日本人の美と世界観

オンラインで学ぶ「スペイン語レッスン」開講中

関連記事

  1. パタゴニア南部氷原:衛星で発見された新火山とシプトン探検

    2018.11.09
  2. 雲と風の大草原:パタゴニアのパンパへ

    2024.05.09
  3. レンソイス砂漠:シーツに例えられる水晶の砂漠

    2022.01.28
  4. 《ペルー料理の食材》大地が赤く染まる唐辛子の天日干し

    2018.06.26
  5. 「125年の絆 日本で活躍する中南米の日系人の今日」中谷吉隆写真展へ行きました

    2024.10.10
  6. アタカマ砂漠の花:ススピロ(ナス科ノラナ)

    2018.12.21
パタゴニア
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP