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風景写真家・松井章のブログ

パタゴニアの絶景:朝日に輝くフィッツロイ峰を望む


パタゴニアで見るべき景色をいくつか挙げるとしたら、名峰フィッツロイの朝日が一番となるだろうか

ペリトモレノ氷河の大氷壁や大草原パンパ、そしてパタゴニア独特の雲「レンズ雲」も見るべき景色だが、フィッツロイ峰の朝日は次元が違う美しさだからだ

パタゴニアの名峰フィッツロイとは

パタゴニアで最も迫力のある名峰フィッツロイは、アウトドアメーカー「パタゴニア」のロゴマークで有名だ。その針峰群は、主峰フィッツロイ(3405m)を中心に、名峰セロトーレ(3102m)も擁する。山麓の標高は500~800mなので、およそ3000m近い標高差の巨大な岩峰を望むことになる。
独特な山容は見る者を惹きつけ、ときに涙を流す人がいるほどに感動を呼ぶ山だ。美しい山は世界に無数にあるが、人の心を動かすような不思議な力を持つ点で、フィッツロイは世界でも特別な山なのだ

フィッツロイの朝日を望むポイント

フィッツロイの朝日を望むためには、山麓のチャルテン村がベースとなる。絶好のポイントはいくつかあるのだが、フィッツロイ直下まで近寄って望むにはトレッキングするのがベストだ。ベースキャンプでテント泊すると、すぐ目の前に見上げるように巨大なフィッツロイを望める。特に、プライベートキャンプを使用すると、食堂テントでコーヒーを飲みながら、目の前でフィッツロイを望むことができるだろう。

あるいは、フィッツロイ山群の全容を望むために草原から遠望するのも一案だ。この場合は車で展望台にアクセスすることもできる。

トレッキングだけではなく、観光旅行でもフィッツロイの朝日は望める。また、山岳写真の撮影で本格的な写真の旅にも最適な場所なのだ

緯度の高いパタゴニアでは、季節により夜明けの時間が大きく異なる。日の出の時間をしっかり把握して、日の出30分前から待機する余裕が欲しい。日の出前の黎明の時間も美しいからだ。

そして、朝日が岩峰に当たると、橙色から黄金色へと変化しながら輝く。この最も美しい時間帯はわずか10分ほどだろうか。劇的な変化をしたフィッツロイはすぐに朝日に馴染み、輝きを失っていく。

このわずか10分ほどの特別な時間を過ごすために、はるばる日本から訪れる価値があるほどに感動することだろう。

フィッツロイの変化の激しい気象条件

天候の変化の激しいパタゴニアで、フィッツロイは特に天候の変化が激しいまさに「パタゴニア的な」地域だ。それはフィッツロイ山群の裏側に「パタゴニア南部氷原」という長野県ほどの面積の巨大な氷原に起因する。氷原から流れ来る暴風が、頻繁に嵐を引き起こす。

この天候の変化も踏まえると、できればフィッツロイ1泊だけではなく何泊かすることで、天候予備日も確保できれば、確実にフィッツロイの朝日を望めるでしょう

関連ページ:フィッツロイ

映像と感性から掴む夢幻の世界/パタゴニアの夕日の感動

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