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パタゴニア・フィッツロイ峰に舞うオーロラのような雲
南極がもたらす暴風は、パタゴニアのフィッツロイ山麓に幻想的な「雲」という魅力を授けました。
高度の高い高積雲はレンズ雲として、高度の低い雲はフィッツロイ山群を取り囲む雲海として、どちらもうねるように、パタゴニアの上空に浮遊します。
かつて草原の先住民はフィッツロイを「煙を吐く山」として崇め、探検隊はフィッツロイを活火山と考えました。実際に、フィッツロイ山群からもうもうと湧き上がる雲を見ていると、どこから雲が現れるのか不思議に感じるでしょう。
パタゴニアの雲の仕組み
フィッツロイ峰の主峰フィッツロイとセロトーレ峰の裏側には、パタゴニア南部氷原(大陸氷床)という長野県と山梨県を合わせた面積の巨大な氷の塊があります。そして、この南部氷原を屏風のように隔てるフィッツロイ山群には、複雑で峻嶮なチムニー状の谷が幾筋も通ります。
南極周辺から偏西風に流されてきた湿った空気は、フィッツロイ山群に衝突します。そして、湿った空気はパタゴニア南部氷原に雪を供給しながら、その激烈な気象の変化で雲は生まれます。時にもうもうと沸き立つように、まるで天を舞う竜のように変幻自在に空を覆う雲は、南極とフィッツロイ山群という2つの要素がカギとなるのです。
それが、夕日の時間であれば、雲はまるでオーロラのように揺らめき輝きます。橙色に輝く雲は、きっとオーロラよりも美しいことがあるでしょう。
世界には天の福音としか思えない絶景がいくつもありますが、フィッツロイ山群の「雲」は天の福音そのものではないだろうか。
– アルゼンチン:エルチャルテン村にて
専用ページ:パタゴニア
パタゴニア・フィッツロイ山群は、山岳写真撮影、トレッキングを始め、そして専用車利用の展望台往復でも望めます。