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神秘の岩峰:フィッツロイ峰&セロトーレ峰
魔力のように人を惹きつける山は、本当に世界に存在するのだろうか。
アルゼンチン・パタゴニアのフィッツロイ峰とセロトーレ峰は、訪れる人を虜にするような魔力を秘めた、世界でも数少ない山の一つです。天を突くようなピラミダルな山容は、どのように形成されたものか考えるほどの不思議さを越えて、それは既に神格化されるほどの魅力なのです。
日本では、パタゴニアというとパイネ国立公園が有名ですが、どちらの方が迫力あるかとなれば、二つに分かれるでしょう。少なくとも、フィッツロイ山群はパイネ山群よりも1000m高いので、パイネ山群よりも一回り大きな山容です。目の前にする迫力は、さてどちらに分があるかは、訪れて比べてみたいものです。
フィッツロイ山麓へのアクセスの良さ
フィッツロイ峰は、山麓にチャルテン村があるのでアクセスが素晴らしく良いのが特徴です。基点の町カラファテから、約3時間の距離にあるチャルテン村に近づけば、圧倒的な山岳展望を望めます。まっすぐの道路の先に林立するフィッツロイ山群の景色は、アウトドアメーカー「パタゴニア」のロゴにも使用されるほどにアイコン化されています。
完成したテント泊トレッキングのシステムと、抜群の山岳展望
山麓のチャルテン村から歩くトレッキングは、日帰りハイキング、テント泊トレッキングともに、安全性も含めてシステムが完成されています。
テント泊トレッキングの魅力は、フィッツロイ峰の間近に宿泊できることです。朝日や夕日、そして星空をフィッツロイ峰をバックに望むにはキャンプする必要があります。
キャンプは、プライベート・キャンプを使用しますので、一部の宿泊者だけが入域できる特別なキャンプ・サイト(フィッツロイBC)です。このキャンプが実は、フィッツロイ山麓で最も展望の良い場所です。フィッツロイを望むアングル・距離どれを取っても絶妙なので、山岳写真の撮影にも最適な立地なのです
プライベート・キャンプには、食堂テントが常設されています。同じく常設のキッチン・テントで管理人が食事を作り、テント設営などをします。テント泊と言っても、すでにテントが設営されて、マットと寝袋も設置された状態なので、担ぐ荷物は最低限の個人装備だけで良いのです。キャンプにはトイレも設置されています。
フィッツロイを目の前に望む食堂テントで、優雅にワインを飲めるのは、テント泊トレッキングの特権です。アルゼンチンは南米一の畜産国、そしてワイン大国ですので、キャンプでも、ワインとサラミ、生ハムを用意しています。夕食前の前菜(ピカーダ)をワインとともに、夕日に染まるフィッツロイを望みます。
同行するトレッキング・ガイドは、万が一に備えて、このベースキャンプとチャルテン村のオフィスとを無線で結び、常時連絡する体制を整えています。実際に現場で無線が必要となることはめったにないでしょうが、的確な天気予報という情報を無線でやり取りします。
フィッツロイ山麓を歩く何よりも魅力となるのが、関わる人たちにあるでしょう。ガイドも含めた一人一人のスタッフがフィッツロイを大好きなので、とても団結してアットホームにアテンドしてくれます。そこには、アルゼンチンらしい真面目さがあるのです。
モデルプラン:2泊3日テント泊トレッキング
1日目:
午前、トレッキング・ガイドとともにトレッキング出発。途中、風光明媚なカプリ湖でピクニックします。その後、フィッツロイBCへ。徒歩約5時間
2日目:
午前、フィッツロイ直下のトレス湖を往復(徒歩約3時間)。ベースキャンプで昼食後、午後、天気が良ければ、ピエドラ・ブランカ氷河の展望台へ。
3日目:
チャルテン村に戻ります。希望があれば、もう一つの名峰セロトーレ峰を望む展望台を経由してチャルテン村に戻ることができます(徒歩約7時間)
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