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パタゴニアの名峰:パイネ・クエルノ
パタゴニア・パイネ国立公園(チリ)のクエルノ峰は、チリ・パタゴニアを代表する名峰です。
クエルノを始め、グランデ峰、トーレス・デル・パイネ峰などを、どのような角度で望むかにより、訪れる場所や方法も異なります。
「クエルノ」は、スペイン語で「角」を意味します。
その名の通り、花崗岩の巨大な角のような岩峰です。
見る角度によって形が大きく異なりますが、特に美しいのは、ペオエ湖近辺から少し遠望で望む角度でしょう。
花崗岩の大岩壁に朝日が当たる時、時に焼けるように赤く山が染まることもあります。
黎明の時間から、夜明けを迎え、太陽が山の端から顔を出すまでが、パイネ国立公園で最も美しい時間の一つです。
あるいは、夕日に浮かぶパイネ山群のシルエットと夕焼けも、静かに美しい時間帯です。
天候の変化の激しいパタゴニアでは、嵐のように荒れた日も頻繁にあります。
人が吹き飛ばされてしまうほどの暴風に荒れる景色も、とてもパタゴニア的です。
湖の水が風に吹き上げられて、絶妙な光線により虹色に輝くような、希少な現象を目にすることもあります。
ラクダ科グアナコの楽園
パイネ山群を取り囲む多様な景観と自然。
国立公園として保護されるパイネ山群の周囲の草原帯は、野生動物の天国でもあります。
天国と言っても、苛烈極まりない生存競争に支配された天国です。
無数のグアナコ(ラクダ科)の群れを目にすることは容易です。
無自覚な直観によるものか、安全な国立公園の敷地内に、大量のグアナコが集まり生息しています。
しかし、この国立公園で食物連鎖のトップに君臨するピューマは、なかなか見ることができません。
ピューマの狩場には無数のグアナコの骨が落ちていたりしますが、ピューマの姿は見れないものです。
用心深いピューマは、どこかに身を潜めて、自分を探すヒトをじっと見ているのでしょう。
5年ほど前に大きな山火事があり、3割ほどの森や草原が焼けてしまいました。
かつて南極ブナの森であった場所も、今は枯れ木が林立しています。
火事の後に一番最初に進出してくる植物により、かつての森林とは景色は異なります、途方もない年月をかけて植物の生息も遷移して、またいつか森になるのでしょう。
パイネ国立公園の歩き方
クエルノ峰に近づくには、小屋泊の縦走トレッキングをする必要があります。
大岩壁を間近で見上げることができるほどで、
あまりにも近いので、写真に納まりきらないほどの大きさで迫ります。
クエルノ峰の懐に深く入り込む縦走トレッキングは、目まぐるしく山岳展望が変化する素晴らしいルートです。
パタゴニア旅行やトレッキング、そして山岳写真の撮影では、最も人気があるのがこのパイネ国立公園と、アルゼンチン側のフィッツロイです。
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