アルゼンチン・パタゴニア、フィッツロイ山麓のベースキャンプで星空を撮影する。
フィッツロイ峰と星空を撮影するのは、簡単なことではない。
天候の変化が激しいパタゴニアで、晴天で尚かつ漆黒の星空を撮ることができるタイミングには、そうそう恵まれないからだ。
1泊・2泊だけのテント泊では、そのような機会に恵まれるのは稀なのだ。
もちろん、台風のような猛烈な風が吹き荒れるので、星空撮影の時にも、“風”が大きな問題となるだろう。
星の軌跡を撮影するために、シャッターを20分開けていた。
風でカメラが揺れてしまわないかどうかが心配の種だ。
幸運にも、上空から聞こえる風の音に反して撮影場所に強風は来なかったが、時折やってくる突風には何度もヒヤリとした。
そうしてシャッターを開けている20分間、三脚のそばで佇み、満天の星空をじっと見つめていた。