クリスティーナ牧場の小さな船着場に着くと、宿泊者専用のメイン・キャビンへ、大草原の中を歩いて行く。
ボートに乗っていた大半の乗客は日帰りのツアー客だ。グループ用の別棟で食事をしてアクティビティを楽しむらしい。
宿泊用の部屋は3棟のキャビンにわずか6部屋しかないので、ハイシーズンは連日満室となる。
キャビン周辺の大草原と、ノルテ峰までのはるかな氷河谷、そしてウプサラ氷河の展望台まで、広大な敷地が6部屋の宿泊者のためにあると考えれば、その贅沢さが分かるだろう。
宿泊料金はパタゴニアで最も高額だが、最も人気のあるエスタンシアでもあるのだ。
航路以外にアクセスが無い奥地で、人工物も最小限に抑えることで、開拓時代のパタゴニアの雰囲気にどっぷりと浸かれるように細かく配慮されている。
スタッフはさりげなく宿泊者とは距離を遠くしているが、サービスはとてもきめ細かい。
とにかく静かに、風の音と、手つかずのパタゴニアの景色に浸かれることが、クリスティーナ牧場のコンセプトだと思う。