目次
会報誌「ポコ・ア・ポコ」第6号
《山岳写真撮影》撮影旅行で目指すのは、ハイ・アマチュア向けの専門手配
フィッツロイ峰を中心に撮影。そして、セロトーレ、ペリトモレノ氷河へ
パタゴニアは、東のアルゼンチン・西のチリ、の二ヵ国にまたがる広大なエリアです。アルゼンチン側ではフィッツロイ山群が、チリ側ではパイネ国立公園がメインとなります。
フィッツロイ山群はパイネ国立公園に比べて要所へのアクセスが段違いに良いので、フィッツロイ峰で何を撮影するかを決めて、その余力でパイネ国立公園をどうするかを決める方が現実的にまとまりやすいでしょう。
フィッツロイ峰を撮影するコツは、何といっても滞在時間によります。山頂までしっかりと姿を現すことは少ないので、山麓で何泊して待つことができるかはとても重要です。
撮影ポイントは、どのようなフィッツロイ峰を撮りたいかによりますが、朝・夕・夜の全ての撮影条件を貪欲に満たすには、フィッツロイ直下のプライベート・キャンプを使用する必要があります。または、少し遠望になりますが、トレッキングすることなく、専用車を利用してフィッツロイとセロトーレの両方を撮影することも可能です。フィッツロイでは、撮影者の体力・滞在条件・予算に応じて、プランニングを細かくしやすいのが特徴です。
セロトーレの撮影には、セロトーレだけのために1日・2日の時間を割く必要があります。その分、フィッツロイ側の時間が減ることになります。セロトーレはフィッツロイよりも気象条件が難しいことを考えると、セロトーレは省いて、フィッツロイに集中するのも一案です。その代わりに、セロトーレは、遠望ポイントでフィッツロイとセットで撮影することができます。この遠望での撮影メリットは車を使えることです。
また、ペリトモレノ氷河の撮影にも時間を割きたいところです。フィッツロイを中心にプランニングする中で予算の都合がつく場合には、ペリトモレノ氷河の撮影に夕景の写真を追加するのも一案です。
機材運搬を担うカメラポーターの手配
フィッツロイ峰の撮影でプライベート・キャンプを使用する場合には、片道4時間のトレッキングが必要です。もちろん、この道中も撮影ポイントがあるので、いろいろ立ち寄りながら歩いて6時間以上かけることもできます。
撮影で一番心配なのは、カメラ機材を運ぶポーターです。共同装備や個人装備の一部は、リャマが運びます。カメラ機材の運搬は、荷役の動物に乗せるわけにも行きませんので、「専属ポーター」をカメラポーターとして雇うのがベストです。カメラポーターはトレッキング中も一緒に歩くので、重いカメラ機材は全てポーターに持たせて、撮りたい時にポーターにカメラを出してもらうこともできます。
ちょっとしたアシスタント的な役目で、弊社では日本人の性格に合った優しいポーターを指名しています。
朝日から星空まで、とことん撮影にお付き合い
アンディーナトラベルの撮影ツアーのキャッチフレーズとしていますが、朝から夜まで撮影にはとことんお付き合いします。
《トレッキング》フィッツロイ山群とパイネ国立公園で、山岳展望に貪欲にこだわる
小屋泊で縦走トレッキング:パイネ山群の懐深く入り込む絶景のルート
パイネ国立公園を代表するパイネ・クエルノ、グランデ、トーレスデルパイネ峰の三峰をしっかりと見るためには、トレッキングで縦走するのがベストです。フィッツロイと異なり、遠隔地から連れて来るポーターや車両のコストが現実的に高いことがあり、パイネ国立公園の問題です。
この三峰を間近で望む小屋泊りの縦走トレッキングのコースは、山に近すぎる感はありますが、その迫力は素晴らしいです。このコースを歩くには、コース前後の移動手段も含めて車両や人件費のコストが大きな問題になるので、基本的には6名前後のグループがベストな形です。
小屋泊の縦走トレッキングでは、グループ向けのベッドは半年前には完売してしまうのが大きな問題です。手配が難しい面もありますが、その分確実にパイネ山群の峰々を展望できます。
縦走するプランにかかる日数やコストを踏まえて、安く抑えるには、パイネ・グランデやクエルノの展望に絞って往復ピストンのトレッキングをするのも一案です。
トーレス・デル・パイネ峰よりも、クエルノ峰の展望を重視するのも一案
パイネ国立公園といえば、トーレスデルパイネ峰ですが、クエルノに比べると山のボリュームも小さく、立地も谷の中にあるために、最優先にしない方が良いでしょう。一般的にはトーレスデルパイネ峰をお勧めしていますが、山好きの方にはあえてお勧めはしません。クエルノ展望を重視した方が充実するでしょう。針峰としては、フィッツロイの方が数倍の迫力があります。
縦走トレッキングでも、トーレスデルパイネ峰の直下に滞在できる時間は、昼少し前の約1時間ほどです。朝日や夕日の時間にトーレスデルパイネ峰の直下にいることは、ほぼ不可能です。
また、山麓から日帰りでトーレスデルパイネ峰を往復する場合には約8時間のトレッキングです。満足に展望できるには昼過ぎのわずか1時間だけです。
縦走トレッキングはまずお勧めですが、縦走トレッキングで歩くコースはどこも山が近すぎるのが、贅沢な難点です。山麓で少し離れた方が、山の展望はむしろよくなり、パイネ山群を一望できます。少し遠望というポイントで、クエルノとグランデを望みながら往復3時間歩くハイキング・コースが、実はもっとも展望がよかったりします。
体力や趣向、日数などのいろいろな条件に合わせて、うまくベストなプランを作るには、パタゴニアの豊富な経験を擁する弊社がアシストできます。
ツアー予告:「秋のパタゴニア フィッツロイ山群とパイネ国立公園 縦走トレッキング 14日間」
「秋のパタゴニア フィッツロイ山群とパイネ国立公園 縦走トレッキング 14日間」※2018年4月計画予定
南極ブナが紅葉に染まる秋の企画です。パタゴニアの紅葉は、ピークの数日間は真っ赤になります。なかなかタイミング(日付・天候による)は難しいですが、その前段階で森は黄色く色づくのは確実に見ることができます。「パイネ国立公園の縦走トレッキング」「フィッツロイ山群の縦走トレッキング」2つの2大トレイルを歩きますが、どちらか一つだけに参加して途中参加(または離団)する手配も可能です。
松井 章(まつい あきら)
中南米アンデスの山岳エリア各地を訪れる機会に恵まれて、約20年ほどが経ちます。渡航回数を重ねるほどに、中南米のラテン世界にさらに魅了されています。 【略歴】神奈川大学外国語学部スペイン語学科卒業/大手旅行会社勤務(予約・販売)/山岳旅行社勤務(企画・営業・手配・添乗)
-探検船で行く- 南極クルーズ 17日間 ツアー・レポート(日本発着)
昭和基地の開設から60周年の今年は、南極が小さなとブームとなっています。2月は、その南極クルーズのツアーに同行しました。南極クルーズで見れる景色は、どのような「南極」なのか、レポートも兼ねてご案内します。
探検船で行く南極クルーズ
出発地は、アルゼンチン最南端ウスアイアです。日本から中東経由で、飛行時間だけでも約30時間かけてパタゴニアに到着しました。ここから約1000mほど南は南極半島です。
南極クルーズは、乗船する船により、その内容が大きく異なってきます。弊社では「探検船」をお勧めしています。乗客100名ほどで乗客はアメリカ人とイギリス人がメインなこともあり、遊びに貪欲なクルーズとなります。1日はとても忙しく、とにかく南極で遊び尽くすからです。上陸には、8人乗りのゾディアック・ボートで必ずアクセスすることになりますので、100名ほどの規模の船がゾディアック・ボートを使いまわすにも限界となるでしょう。
大型の客船であれば、もちろん安いのですが、一日の上陸回数は一回だけで、あとは船内でゆっくりというコンセプトの船が多いでしょう。弊社が探検船にこだわる理由です。
①ドレーク海峡
片道二日半かかりますが、やはりこのドレーク海峡を越えて辿り着いてよかったと思うでしょう。飛行機でドレーク海峡を越えて一気に南極半島の船にアクセスするツアーもりますが、実際に行ってみれば、ドレーク海峡あっての南極だと思うものです。パタゴニアの亜南極地方を出発して、海路はるばる南極大陸に着くのは醍醐味といえます。
②サウスシェットランド諸島
2日以上も陸地を見ない時間の末に、いよいよ南極のサウスシェットランド諸島に到着します。ここはまだ南極大陸ではないのですが、地理的な条件から歴史的にも南極のベースとしていました。クルーズでも必ず通過・上陸します。そして、ここが南極との最初の接点なのです。氷に覆われた世界ではありませんが、野生動物の楽園です。ペンギンの大営巣地を始め、運が良ければゾウアザラシも見られるでしょう。そして、南極ですがここには植物も生えています。地熱地帯や開拓時代の捕鯨基地の跡など訪問します。
③いよいよ到達、南極大陸
サウスシェットランド諸島を過ぎて、いよいよ南極大陸へ。そこは氷河の国です。パタゴニアのペリトモレノ氷河を、何千・何万も合わせた規模ですので、南極の氷河の迫力は人間のイメージを越えています。内陸の標高1500mの氷原から流れ出す幾万の氷河は、延々と海岸部に氷の絶壁を作り出しています。天気が良ければ、朝カーテンを開けると、延々と連なる氷河に朝日が当り、橙色に輝いているでしょう。今回の旅では、大陸に上陸する最初の日の朝に、氷河のモルゲンロートを楽しめました。
静かな風下の湾には氷塊が流れ込み、アザラシの楽園になっています。陽が差せば、その吸い込まれるようなグレイシャーブルーも見事です。
④キャンプ
南極大陸でキャンプをした、というのは思い出としても良いものです。ぜひ体験したいですが、その参加人数が少人数に制限されていることから、10名いるようなグループ・ツアーであれば、参加は難しいところです。
アドベンチャー要素は強く、また事前の予定通りには進まないので、大変アメリカ的な雑さが出ましたが、一生の思い出となる経験です。参加者のみなさんは大変であったと思いますが、南極大陸でキャンプした、というのは勲章のような経験です。
キャンプでは、「食べる」・「トイレに行く」・「音を出す(ペンギンがいるため)」ことも制限されているので、着の身着のままで行くことになります。
白夜の夕方20:00頃に、早めの夕食を終えてキャンプへ。そのあとは朝までトイレは簡単なトイレのみです。この時のキャンプでは、クルーズ船が大いにオーバーブッキングをしたので、全員のトイレを賄うことはできずにあふれだすような惨状で大騒ぎでした。
【ツアー予告】
2017年1月13日~1月30日
「探検船ヘブリディーンスカイ号 南極半島&サウスシェットランド諸島 17日間」
※詳細はお問い合わせください。
◎弊社ブログでは、南極の記事も多数掲載しています。ぜひご覧ください。
ブログ:https://www.andina-travel.com/blog
《新企画》アコンカグア南壁展望トレッキングと、イースター島最高峰テレバカ登頂ハイキング12日間 <2018年2月予定>
南米最高峰アコンカグアでは展望トレッキングを、イースター島の最高峰テレバカ登頂ハイキングも行う特別企画です。特にアコンカグアでは天候予備の時間にも余裕を持たせて企画しています。
アコンカグア南壁展望トレッキング
南米最高峰・アコンカグア(6962m)南壁展望トレッキングでは、標高差約2500mの岸壁を望む展望台へトレッキングします。ベースキャンプは、コンフルエンシア(3350m)です。コンフルエンシアでテント連泊をすることで、アコンカグア南壁展望台には天候予備の時間も十分に確保して、アコンカグア展望には万全を期した日程です。共同装備・個人装備はロバが運びますので、日帰り装備で歩きます。カメラ機材のポーターを希望の方には、常に横を歩くポーターも可能です。
イースター島最高峰・テレバカ(506m)登頂ハイキング
チリの首都サンティアゴから、約半日かけて、イースター島を往復します。イースター島では、最高峰・テレバカに登頂します。山麓の村から往復約3時間かけて歩く軽ハイキングです。アコンカグア展望トレッキングの後で、旅の締めくくりとしてイースター島最高峰に登ります。イースター島には2泊しますので、主要部の観光も行います。天候が良ければ、星空観賞・撮影にもお連れします。
写真展のお知らせ
写真家・加藤正明氏の写真展「マチュピチュからパタゴニアへⅡ」が開催されます。
・期間:4月13日(木)~4月19日(水)
・時間:10:30~18:30
(初日13日 12:30~ 最終日19日 16:00迄)
・場所:大泉学園ゆめりあホール7Fゆめりあギャラリー
西武池袋線大泉学園駅北口徒歩1分 TEL: 03-5947-2351
※写真集も絶賛販売中です!!
書籍販売
写真家・木原浩氏の著書『世界植物記』(平凡社)の「アフリカ・南アメリカ編」と「アジア・オセアニア編」を特別価格で販売しております。ご購入の方には、冊子に木原氏が直筆でサインのうえ、郵送でお送りします。購入希望の方は、アンディーナトラベルにお問い合わせください。
◎優待価格:各6500円(税込・送料込み)
おすすめ・エリア①:【ペルー】ブランカ山群とワイワッシュ山群
南米屈指の山岳展望を有するのが、ペルー・ブランカ山群です。6000m級の峰々が連なるこの山脈は、ほんの100年ほど前には、今よりもはるかに雪に覆われていて、南北に連なる巨大な白い帯に見えたことから、「ブランカ(=白)」山群と名付けられました。ペルー最高峰ワスカランを始め、ワンドイなど名峰がずらりと並ぶブランカ山群を、テント泊で縦走トレッキングするか、あるいは豪華なキャンプ(=グランピング)で撮影や日帰りハイキングに徹するか、趣向や体力に合わせて、いろいろプランニングできます。
ブランカ山群から、約10時間ほど移動すれば、さらに秘境の雰囲気が漂うワイワッシュ山群もあります。マニア向けともいえる南米の名峰がずらりと並ぶ隠された山群です。このワイワッシュ山群でも趣向や体力に合わせてプランニングできます。ブランカ山群の次に、ペルー再訪する場合には、ワイワッシュ山群は一押しです。
おすすめ・エリア②:ベネズエラ:ギアナ高地・ロライマとエンジェルフォール
約20億年の歴史を持つ、地球最古のギアナ高地では、テーブルマウンテンが100以上も連なります。千年ほど前から進出した先住民による原始的な焼き畑により、多くのジャングルが焼失したことで、今のギアナ高地の風景が出来上がりました。草原、ジャングル、テーブルマウンテンが織りなす景色です。
ジャングルのイメージが濃いですが、草原(サバンナ)が広がる場所も多いです。小説「失われた世界」の舞台ともなった「ロライマ山」の周辺には大草原が広がります。テーブルマウンテンとしての形が美しいロライマは、近年トレッキングで有名です。草原から望むテーブルマウンテン、山上台地から望む岸壁とサバンナの織りなす絶景など、景観がめまぐるしく変わるのです。
そして、世界最高落差の滝・エンジェルフォールでは、ジャングルの川を移動します。タンニンが染み出る川の色は深紅で、大小さまざまな滝があります。エンジェルフォールを望む山小屋で、ハンモックの粗末な小屋ですが、そこからはエンジェルフォールを望めます。夕方・朝日のエンジェルフォールを見るには、この小屋泊をする必要がありますが、その価値は十分にあるでしょう。
ロライマはアクセスが非常に遠いのですが、エンジェルフォールは割と近いです。日本発着で9~10日間で済ませたい場合には、エンジェルフォールのみの往復でプランニングできます。
トラベル・スペイン語講座 阿佐ヶ谷教室
中南米のスペイン語は、スペインとは少し異なる“中南米のスペイン語”を話します。旅をさらに楽しむために、挨拶だけでも中南米のスペイン語を話せると、旅は何倍も楽しくなるものです。
アンディーナトラベルのスペイン語講座では、旅行で実際に使うためのスペイン語を学びます。中南米のスペイン語はスペインとは使用する単語やアクセントも異なるので、学習するのは「中南米を旅するためのスペイン語」です。スペイン語の奥深い世界への入口ともなれば幸いです。
旅を楽しむための必要な表現を学びますので、1回や2回だけの受講も可能です。帰国後にさらにスペイン語が好きになり、初歩の文法から学び、中級へのステップアップもお手伝いします。定期的な受講をする方には、スペイン語の文法を一から教えることも可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
南米コラム①:パタゴニア開拓時代の道を歩く新ルートの魅力
約100年前まで文明から隔絶されていたパタゴニアへ、羊毛産業を契機に欧米からの移民がやってきます。アルゼンチン・チリは自国の国益も踏まえて、国境部に広がる広大な「パタゴニア氷原」への探検隊も送り込むことになりました。
当時、探検家が歩いた道は、今のパタゴニアの車道とは異なる道でした。まともな車道の無い時代ですので、歩くことを前提に、山や谷へダイレクトにアプローチする道です。そのような100年前の探検家が辿った道を歩くトレイルは、いまパタゴニアで少しずつ注目されてきています。
アルゼンチン・パタゴニアのフィッツロイ山群へ、ペリトモレノ氷河から向かう道は、氷雪峰と氷河の回廊です。この回廊を辿り探検家は北上して、パタゴニア氷原へと取りついていきました。
「探検家の道」と呼ばれる回廊は、年間に数人しか歩かないために歩きづらく、これから少しずつ改良されていくでしょう。パタゴニアのトレッキング・ガイドたちが密かに憧れる道が「探検家の道」です。
今年は、「探検家の道」を少し簡単にしたトレッキングも開発されました。当時の古い道を歩きながら、ベースキャンプの周囲を歩きます。このトレッキングでは、ウプサラ氷河の展望台に登る時間もあります。約100年前はまだ氷に覆われていた谷を歩いたりと、この道もスケールのとても大きなパタゴニアらしいトレッキングです。
中南米グルメ・コラム「ラテンの台所」:ペルー料理界の至宝:ガストン・アクリオ
ペルーで知らない人はいない、という地位まで上り詰めたシェフ、Gaston Acurio(ガストン・アクリオ)。
1994年にリマにAstrid & Gastonをオープンして以来、ペルー料理の魅力を海外にアピールし、また国内では再認識する活動を続けている。
ペルーの観光省が、グルメを推すようになったのも彼の活動の功績だ。
面白い経歴の持ち主で、若い頃は弁護士を目指していた(父親が弁護士で、同じ道をたどるように言われていた)。しかし、昔から好きだった料理への情熱が冷めることはなく、法律を学ぶために留学していたスペインを去り、家族には内緒でフランスの名門料理学校、コルドンブルーに入学する。
1994年にフランスで修行中に出会った現在の妻Astridと共にペルーに戻りAstrid & Gastonをオープンする。当初は正統派のフランス料理を提供していたが、全く流行らず、試行錯誤するうちに今の“ペルーの食材、料理を再認識、再評価しアレンジを加える”スタイルにたどり着いた。
今まであまりスポットライトの当たることがなかったインカ時代からの伝統食材、調理法を積極的に取り入れつつ、オシャレな料理として提供する。これがヒットしAstridの得意分野でもある洋菓子店も含め、国内外に50店舗を展開するほどになった。
彼の魅力は料理の才能だけではなく、人柄にもある。
いつも笑顔でフレンドリー、料理番組の撮影で街中を歩けば、あちこちから声がかかり、大阪のおばちゃんが芸能人にそうするように、いろんな人に触られる。
TV番組でも、食文化、歴史、また食材の生産者にも敬意を払う、謙虚な人柄が伝わってくる。
またリマの貧しい地域に自費で授業料無料の料理学校を設立し、青少年に料理の技術をつけさせ自立を支援する活動をしている。
2014年に彼の半生をドキュメンタリー化した映画も作られ、日本でも上映されていた。
◎映画「料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」公式サイト:http://gaston-movie.jp/
◎You Tube「映画予告」
【編集後記】
【編集後記】
新年度から会報誌をパワーアップしてお送りしました。中南米・南極など、私が目で見て、現場で感じた経験をもとに各記事を書いています。中南米への旅行を考える際には、目的地やテーマを決めるときに記事を参考にして、自分にあった旅作りをしていただけるような有益な情報を会報誌に書ければと思っています。(松井)