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アンナプルナ内院トレッキングとは
ネパール・ヒマラヤの名峰が集うアンナプルナ山群で最も奥深く、アンナプルナ内院へ行ってきました。
アンナプルナ内院とは、8091mのアンナプルナⅠ峰を始め、アンナプルナ・サウス(7219m)、マチャプチャレ(6993m)にぐるりと囲まれた円形劇場(アンフィシアター)にあるベースキャンプ(4200m)を指します。
このトレッキングの魅力は、標高1500mの雲霧林から始まり往復約10日間を歩く長い道のりです。苦労してたどり着いたベースキャンプの絶景は、一生に一度の感動と言えるでしょう。
ジャングルの生活道を歩く
最初は標高約1500m付近の雲霧林から歩き始めます。緑深く、湿度の高い鬱蒼としたジャングルに、おそらく1000年以上の歴史はある石畳の生活道が始まります。
深い谷が幾重にも連なり、道はいくつもの峠を越えて、人々の生活風景を見ながら少しずつ進むことになります。
この生活道には車道は無いので、全てが人力、あるいは馬の力で運ばれます。車もトラクターも一切無い風景は、今の世界では貴重なものです。
急斜面には棚田が延々とあります。全てが手作業で、これほどの棚田を作り上げるのに、どれほどの歳月がかかったのでしょうか。
石畳の道を歩きながら感じることは、ここの村人にとって、生活や人生をきっと「点」ではなく「線」で考えているだろうということです。
自分の短い人生だけではなく、連綿と続く歴史の橋渡しとしての自分を感じていないと、これほど途方も無い作業を続けることができないと思ったからです。
斜面に立つ家々はどことなく、日本の農山村を思わせる雰囲気で、どこか懐かしい気がしてきます。ここも日本もアジアというである共通の土台を持つのでしょう。
峠の村に着くと、山の端からアンナプルナ・サウス(7219m)が雲間から姿を現しました。
まだまだ遥か先の名峰を望みながら、少しずつ谷を登っていきます。