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風景写真家・松井章のブログ

ネパール・トレッキングの魅力:ヒマラヤ・エベレスト街道


ヒマラヤの高峰を間近に望む「エベレスト街道」は、ネパール・トレッキングの中でも、最も迫力のあるルートです。

トレッキング初心者から上級者まで、体力と日数に合わせて、実に多様なトレッキングの日程を組むことができます。

トレッキングの成否を担うガイド

各村にあるロッジに宿泊しながら身軽にトレッキングできるように、インフラはどんどん整ってきていますが、ガイドの役割はとても重要です。
高山病の安全管理にも長けた、地元のシェルパ族のベテラン・ガイドが案内することが、トレッキングの成否を担うでしょう。ガイドはトレッキングのリーダー(サーダー)として、ポーターやアシスタントなどに細かく指示を出して、快適なトレッキングを提供するからです。

英国式に磨き上げたトレッキング・システムは、あらゆるトレッカーの要望に応えるので、たとえばカメラ機材を持ってトレッキングしたい場合には、専属のカメラポーターが一緒に歩き、まるで撮影アシスタントのように手伝ってくれるでしょう。
彼らスタッフを束ねるのがガイド(サーダー)なので、最も重要な存在なのです。

エベレスト街道をダイジェストで辿る

カトマンズ周辺でエベレスト展望を謳う「日帰りツアー」とは異なる、圧倒的な山岳展望を望めるのが、トレッキングの魅力です。

エベレスト街道の基点となるのは、ルクラという標高2800mの村です。カトマンズから約40分のフライトで辿りつきます。
ルクラはエベレストを始めとする「クーンブ山群」の玄関口と言えるでしょう。かつてここに空港の無い時代は、ルクラよりもさらに下の低地から森の中を歩いて来ました。
この空港のおかげで、現在は一気にルクラへ、ヒマラヤの懐に入ることができるのです。

ルクラからしばらくは谷の中を歩きます。とはいえ、ときおり顔を出す氷雪をまとう峰々の迫力に感嘆するでしょう。最初に見えてくる6000m峰の一つがタムセルク峰(6608m)です。

谷を抜けて一気に標高を上げると、いよいよエベレスト(8848m)が見えてきます。振り返れば後ろにも、巨大なコンデリ峰(6187m)が見えます。コンデリ峰を仰ぐ斜面に、「シェルパの里」として有名なナムチェ(3440m)があります。今では、トレッキングの基点として、世界中から訪れるトレッカーで賑わいます。

ナムチェから標高をさらに上げると、大展望が広がります。「母の首飾り」を意味するアマダブラム(6856m)はエベレストよりも目立ち、屏風のようなローツェ(8414m)南壁の上から、黒い山塊のエベレスト(8868m)が顔を出して聳えます。
パタゴニア
エベレストの山群を始め、双耳峰カンテガ(6685m)を望みながら展望の道をさらに奥へ、シャンボチェ(3700m)、タンボチェ(3860m)へと続きます。
さらにエベレストの山に近づくために、エベレスト街道はまだまだ奥へ続きます。標高4200mのペリチェ村に着くころには、右に聳えるアマダブラムは大きく形を変えて、同じ山とは思えないほどです。
前方(北)にそびえるエベレストは、ローツェの壁に遮られて姿を隠します。その代わりに楽しませてくれるのが、タウツェ(6367m)、チョラツェ(6335m)です。
前後左右の山々を楽しみながら、4830mのトクラ峠を越えると、いよいよクーンブ氷河に出ます。土砂に覆われたクーンブ氷河のサイドモレーンを歩きながら、ロブチェ(6145m)を望みます。氷河の右側には、エベレストを覆い隠すヌプツェ(7861m)が弩迫力で迫ります。

標高をじわじわ上げて、ゴラクシェプ(5140m)へ。天上の別天地と言える標高5000mの山小屋です。ここから約2時間も歩けば、エベレスト・ベースキャンプに到着します。しかし、エベレスト・ベースキャンプは谷の中にあるために、エベレストは望めません。
ゴラクシェプからさらに標高を上げて、カラパタールの丘(5550m)へ。頂上からは、エベレストを始め、ヌプツェ、チャンツェ(7553m)、クーンブツェ(6665m)、リントレン(6749m)、そして目の前に巨大なプモリ(7165m)を見上げるように望みます。チャンツェとクーンブツェの間には、中国(チベット)との国境の峠ロー・ラも見えます。
7000~8000m峰に囲まれた壮大な展望がカラパタールです。片道たっぷり1週間以上かけれ来た甲斐があったというものです。

エベレスト街道の最もメインの道を辿りましたが、途中には分岐もあり、ゴーキョ(5360m)へ向かうコースや、アマダブラムを展望するチュクンピークへ向かうルートもあります。
奥に行けば行くほどに、迫力が倍々に増していきます。

必要な日数

カラパタールを最短で往復するとしても10~14日間は必要です。
“シェルパの里”ナムチェ周辺の往復であれば4~5日間のトレッキングを楽しめます。
さらに簡単にアプローチする方法としては、カトマンズからヘリでアプローチする方法もあります。(ヘリで行くと高所順応する時間が無いので、できれば歩いてナムチェにアプローチする方が良いです)
まずは何日間の旅行ができるのか、そこから逆算してトレッキング・ルートを決めるのも一案です。

トレッキング・シーズン

トレッキングのシーズンは、10月~4月の乾季です。
5月~8月の雨季は山を展望するのが難しい季節ですが、その代わりにブルーポピーなどワイルドフラワーを観察しながら歩くのも魅力です。

関連ページ

●エリア紹介:「ネパール・ヒマラヤ」専用ページ
●個人旅行で歩く:トレッキング・モデルプラン(ネパール)

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