目次
峻険な渓谷を見下ろす、天空の遺跡マチュピチュとは
峻険な岩山の尾根を覆うように建設されているマチュピチュ遺跡は、コンドルのように空から見なければ発見することができない、まさに“空中都市”です。
“空中都市”マチュピチュがハイラムビンガムに発見されたのは1911年でした。
その発端は、付近に住む村人から聞いた小さな話でした。
そのあまりにも特殊で困難な場所に位置するため、人目に触れることなくマチュピチュ遺跡は約400年もの間ジャングルに埋もれていました。
インカ帝国の後半期に建設されて、すぐ後にスペイン人がインカ帝国を滅ぼしたことで、マチュピチュ遺跡は隠されるように放棄されました。
遺跡を覆う密林を伐採して現れたマチュピチュ遺跡は、岩山の尾根を覆うように建設されました。
その全容はまだ発掘し切れてなく、今もまだ発掘の途中です。
麓のウルバンバ川まで標高差400mの斜面にはまだまだマチュピチュ遺跡の一部が埋もれたままとなっています。今のマチュピチュ遺跡の2倍近い面積はまだ未発掘で密林に埋もれているとも言われます。
この厳しい地形に、他の都市から孤立するように築かれたマチュピチュ遺跡は、多くの謎を残しています。
インカ文明の中で最も謎に満ちたマチュピチュ遺跡をより深く感じるためには、クスコ在住の日本語ガイドに案内してもらうのはとても重要です。
インカ文明の粋を結集した、遺跡の核心部を歩く
マチュピチュ遺跡の入口から、ツーリストがまず訪れるのは、マチュピチュ遺跡の展望台「見張り小屋」です。
これから入る遺跡の全景を望み、いよいよ遺跡に入ります。
中心部の神殿では、巨石をたくみに削り組み合わせた精巧なインカの建築物を眼にします。
マチュピチュ遺跡の最高地点に立つ岩、インティワタナは日時計と呼ばれます。
インカの暦や催事を決めることに利用されたと言われます。
マチュピチュ遺跡の中心部を廻るには、約3~4時間ほどあれば、日本語ガイドから話も十分に聞きながら廻れるでしょう。
マチュピチュ遺跡に直結する唯一のホテル、サンクチュアリロッジ
マチュピチュ遺跡の入口に一軒だけあるサンクチュアリロッジは、その抜群の立地の良さにより、年間を通して満室の人気ホテルです。
基本的には半年以上前には満室になってしまいます。
一室当たり一泊1000ドル以上の高級ホテルですが、その費用を払っても宿泊する価値があるでしょう。
特に写真撮影に力を入れる方には、このロッジはとても重宝します。
なんといっても、遺跡へのアクセスが良いからです。
他のホテルは、シャトルバスで約30分のマチュピチュ村にあります。
このホテルに宿泊すれば、マチュピチュ遺跡に最も良い時間だけを選んで訪れることができます。
まだ人の少ない朝に、まず一回入場して、遺跡とワイナピチュ峰に朝陽が当たるのを望む。
その後で、ホテルにいったん戻り朝食を摂ります。午後までホテルでゆっくりと過ごし、午後から日没にかけて再びマチュピチュで過ごすことができます。
このような過ごし方は、サンクチュアリロッジに宿泊しなければできないでしょう。
朝陽や夕陽とマチュピチュ遺跡をセットで写真撮影する時に、このホテルの立地の良さが活きるのです。
マチュピチュ遺跡を遠望する、「太陽の門」インティプンクへ
マチュピチュ遺跡で1日以上の滞在時間を確保できるのであれば、「太陽の門(インティプンク)」を往復するのはお勧めです。
往路は緩やかな登りであるために約40分ほど、復路は30分ほどの行動なので、休憩も含めて約2時間半くらいの時間は必要です。
マチュピチュ遺跡の中心部には常に多くのツーリストがいますが、「太陽の門」へ向かう道は人が少ないのも魅力の一つです。
この細い道は、インカ道です。
マチュピチュ遺跡を遠望する峠に位置するのが、「太陽の門」です。ここに来ると、マチュピチュ遺跡がどのくらい難しい場所に建設されたかが分かるでしょう。
マチュピチュ遺跡の全容を、背後のワイナピチュ峰とセットで望むことができる貴重な場所です。
付近を谷と岩峰に囲まれたマチュピチュ遺跡にとって、「太陽の門」はまさにマチュピチュへの「門」であったのです。
マチュピチュのシンボル、背後にそびえるワイナピチュ峰
マチュピチュ遺跡の写真でおなじみとなっている背後の山がワイナピチュ峰です。
断崖絶壁にあるが、山頂への道は背後に回り込むようにできているので、割と容易に登ることができます。
標高差約250mの登りは約50~60分ほどかけて登ることになるでしょう。
このワイナピチュ峰は入山人数と入場時間が制限されているために、ほぼ同じ時間に登山者は集中することになります。
半分より上は、インカ時代の石段を登ることになります。
一段一段が狭いので慎重に登る必要がありますが、行列になって登るので、ペースは全体的にゆっくりとなります。
山頂から見下ろす、マチュピチュ遺跡の展望はまさに絶景です。
ワイナピチュ峰に登る価値は十分にありますが、近年は世界的な人気のために入場チケットは完売してしまうことがほとんどですので、事前予約は必須です。
山頂部はガレ場のために、そう長く滞在する気にはならないでしょう。
狭い山頂部には下から次々に登山者がやってくるので、写真を撮り一休みしたら、速やかに下ることになります。
細い石段歩きは、登りよりも下りの方が注意が必要です。
※転落事故は毎年起きているので、歩くことに自信の無い方には、お勧めはしないようにしています。
テント泊トレッキングで、インカトレイルを歩く
インカ帝国の発展の要となったのは、帝国中を繋ぐ道路網でした。
南米中に張り巡らされたネットワークを、高度に発達した飛脚のシステムが機能することで、中枢には常にだれよりも先に情報が届いていたのです。
古代インカの人々が作った石畳の道、インカ道(インカトレイル)はスペイン人の侵略により、ほとんどが破壊されてしまいました。
数千キロにも及ぶインカ道の中で、スペイン人の侵略を免れた貴重な場所が、マチュピチュの「インカトレイル」です。
インカ道の終点である「マチュピチュ遺跡」へ続く3泊4日のインカトレイルの道程は、インカ時代の末期に突然放棄されて、約100年前まで密林に眠っていたのです。
このインカトレイル3泊4日の行程で、多くの遺跡を時には大規模な遺跡を見ながら歩くことになります。
インカトレイルを歩く人だけが見ることのできる特別な遺跡群です。
入山人数が制限されて、なおかつ一方通行のインカトレイルでは、各遺跡が混み合うことはなく、古代遺跡の中で独り占めすような気持ちで時間を過ごせます。
インカトレイルが、マチュピチュ遺跡を目指して歩くというだけではなく、とても貴重なルートであることを理解できるでしょう。
世界中から注目を集めるインカトレイルは、入山人数も厳しく制限されているために、入山許可証は4・5ヶ月ほど前には完売してしまうほどに人気です。
※インカトレイルは十分な体力が必要なトレッキングです。前半は特にハードで、トレッキング2日目には、標高3000mから4200mのワルミワニュスカ峠を越える必要があります。
インカトレイルの最後の部分を歩く、インカトレイル一日ハイキング
テント泊トレッキングをするには体力が十分ではなく、「太陽の門」往復ハイキングでは物足りない方には、「インカトレイル日帰りハイキング」はお勧めです。
マチュピチュ鉄道の102km地点で下車して、インカトレイルの最後の一日だけの区間を歩くのです。
午前中は約3時間登り、ウィニャイワイナ遺跡へ。
昼食後に、緩やかな登りをさらに1時間半ほど歩くと、太陽の門に到着します。
インカ道も、マチュピチュを目前に最も精巧な部分でもあります。
このルートも、入山人数の制限区域に入るので、入山許可証を取得するのが必須です。
ペルー・マチュピチュ&インカトレイル:専用ページ
●エリア紹介ページ:ペルー・マチュピチュ遺跡&インカトレイル:専用ページ