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レンソイス砂漠のオアシスで過ごす夜
ブラジル・レンソイスのオアシスで過ごす夜は、なんとも言えず心地が良い。
砂漠でありながら、地下には満々と水を湛えるレンソイスならではの夜です。
大西洋から吹いてくる風も、オアシスに入ってくると木々に遮られて、そよ風となります。
トレッキングで宿泊するオアシスでは、大きな小屋にハンモックを並べて眠ります。
もちろんドアはないので、小屋の中にも常にそよ風が通ります。
このそよ風とゆりかごのように揺れるハンモックが、不思議なくらい気持ちよく眠らせてくれるのでしょう。
昼間は砂漠を何時間も歩き、湖では泳いで一日中遊んでいるので、適度に疲れているのもあります。
消灯も早いので起きるのも早くなるもので、夜明け前の静かな時間がなんとも心地よいです。
風にこすれる木の葉の音もまた心地よいのです。
ブラジル・レンソイス砂漠は、約2万個もの湖が、わずか2,3ヶ月だけに現れる奇跡のような砂漠です。
白砂の砂は水晶の粒です。
太陽が高く上がると、白砂の砂漠はまぶしいほどに輝きます。
この砂漠の無数の湖を見るためには、歩いて縦断するのがベストです。無数の湖を縫うように歩いていくのが、レンソイス・トレッキングの醍醐味でしょう。
日帰り観光をお勧めしないのには理由があります。
ほとんどのツーリストが日帰りで来ますが、滞在時間はわずか2・3時間で、2・3個の湖を見るだけなのです。
一見すると、無人の果てしない白砂漠に見えますが、しっかりと人の暮らしが根付いています。
かつてアフリカから連れてこられた人々の末裔が農園から逃げ出して、レンソイス砂漠に住み始めたといわれます。
砂漠内は国立公園に指定されているので開発されることなく、オアシスの人々は国からの補償を受けながら、たまにやって来るトレッキング客を相手にして、のんびりと暮らしています。
このオアシスでは「肝っ玉母さん」という感じの女性が切り盛りしています。不思議な包容力を持っているようで、彼女無しでこのオアシスの秩序は守れないだろうと、私は半ば確信しています。