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風が砂漠に刻む模様「風紋」
午後になると決まって、レンソイスの白い砂漠には風が吹き始めます。
風は砂漠の表面に、細かいひだのような風紋を刻み込む。
目で見ることのできない風の力を、こうして風紋が出来上がる過程を見ながら感じます。
風向きはいつもだいたい同じで、北東の大西洋から吹いてきます。
この風は長い時間をかけて巨大な砂丘を作り出し、風紋は毎日のように更新されます。
巨大な砂丘と小さな風紋の向きは、空から見れば相似することに気づきました。
レンソイスという砂漠そのものが、この風に作られました。
海で磨かれた石英(水晶)の砂砂が浜辺に打ち寄せると、風は内陸へと砂を運び続けました。
今の大きさの砂漠に成長するのには、気の遠くなるような時間がかかっています。
誰もいない砂漠を歩きながら、この風を全身で浴びていると、そんな大きな時間に思いを馳せることができます。