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世界のグルメから注目されるペルー料理を牽引するカリスマ・シェフ
ペルーで知らない人はいない、という地位まで上り詰めたシェフ『ガストン・アクリオ』。
1994年にリマにAstrid & Gastonをオープンして以来、ペルー料理の魅力を海外にアピールし、また国内では再認識する活動を続けている。
ペルーの観光省が、グルメを推すようになったのも彼の活動の功績だ。
面白い経歴の持ち主で、若い頃は弁護士を目指していた(父親が弁護士で、同じ道をたどるように言われていた)。
しかし、昔から好きだった料理への情熱が冷めることはなく、法律を学ぶために留学していたスペインを去り、家族には内緒でフランスの名門料理学校、コルドンブルーに入学する。
1994年にフランスで修行中に出会った現在の妻Astridと共にペルーに戻りAstrid & Gastonをオープンする。
当初は正統派のフランス料理を提供していたが、全く流行らず、試行錯誤するうちに今の『ペルーの食材、料理を再認識、再評価しアレンジを加える』スタイルにたどり着いた。
今まであまりスポットライトの当たることがなかったインカ時代からの伝統食材、調理法を積極的に取り入れつつ、オシャレな料理として提供する。これがヒットしAstridの得意分野でもある洋菓子店も含め、国内外に50店舗を展開するほどになった。
彼の魅力は料理の才能だけではなく、人柄にもある。
いつも笑顔でフレンドリー、料理番組の撮影で街中を歩けば、あちこちから声がかかり、大阪のおばちゃんが芸能人にそうするように、いろんな人に触られる。
TV番組でも、食文化、歴史、また食材の生産者にも敬意を払う、謙虚な人柄が伝わってくる。
またリマの貧しい地域に自費で授業料無料の料理学校を設立し、青少年に料理の技術をつけさせ自立を支援する活動をしている。
2014年に彼の半生をドキュメンタリー化した映画も作られ、日本でも上映されている。
中南米グルメ・コラム「ラテンの台所」:文/中島
◎映画「料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」公式サイト:http://gaston-movie.jp/