日本の春の季語「サクラ」は今では国際的にも認知される呼び名です。古来から日本人の心象風景に桜は溶け込み、春の到来を告げる大切な指標となりました。桜の花は春そのものというほどの存在でしょう。
本日はまだ五分咲きながら、中目黒に行き、桜を鑑賞して写真撮影してきました。その写真を掲載しています。
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桜を愛でる日本人
歴史を遡ると、その起源は縄文時代に辿り着くそうです。日本中を覆っていた広葉樹の一つに桜があり、生活用の木材として桜は大事にされていました。
以来、平安時代から日本独自の公家文化が花開き、桜は美の対象として認知されていきます。
鎌倉時代や室町時代には、祭礼での奉納として「能楽」には桜は欠かせない対象として、大げさに言えば、単純な美しさを超えた神美的な感性の世界に在るのかもしれません。
日本で親しまれる桜の木は、ソメイヨシノという品種ですが、世界中で広く、桜の仲間は自生しています。やはり春を伝える役目を担う、“春のシンボル”と言えるでしょう。
世界に分布するサクラの仲間
日本人の起源と言われることもある南アジアの「ブータン」では、まるで日本の農村風景のような田園に桜の花が咲き乱れます。1000年以上の歴史を持つ寺院の境内に咲く花を見ていると、まるで日本にいるように思えるでしょう。
中部パタゴニアのサクランボ
南米パタゴニアでも、フィッツロイやペリトモレノ氷河ほどに南極寄りではない、中部パタゴニアで桜の仲間が咲き乱れます。学名は“Prunus avium”というサクランボの木です。
中部パタゴニアは割と温暖な気候で、アンデス山脈から水を引ける場所ではサクランボやリンゴなどがプランテーションで栽培されています。街路に咲く花も、もとはヨーロッパからの開拓民が持ってきたサクランボの木が起源のようです。
アンデス山脈から吹き下ろす冷たい風に、サクランボの花が可憐に揺れる様子を見ていると、桜の花を愛でたくなる人の気持ちは万国共通なのだと納得がいきます。
【動画】目黒川の桜並木
本日の桜を写真とビデオで、短い動画を作成しました。
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