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ペルー・アンデス:ブランカ山群とは
南米大陸の長大なアンデス山脈の中で、最も氷雪峰が集まる山群が、ペルー・アンカシュ県ワラス近郊の「ブランカ山群」です
6000m峰が林立し、名だたる名峰が集中することから、「南米の屋根」と呼ぶに相応しいエリアです。
基点となる町・ワラスは、標高3000mに位置する町です。市場に行けば、民族衣装をまとう先住民ケチュア族の人々の活気のある生活風景を見ることができるような素朴な地域です。
空を見上げれば、ペルー最高峰ワスカランを始め、アンデスの峰々を望める風光明媚な町なので、ペルーのスイスと呼ばれたりします。
ブランカ山群の「ブランカ」は「白」を意味します。5000-6000mの峰々が白い雪に覆われる光景は、まさに白い山群です。
急速に氷河が後退するなかで、人々は口々に雪が減ってしまったとつぶやきます。
ほんの数十年前、ブランカ山群はもっと白い雪に覆われていたのだというのです。その時代の白黒写真を見ると、たしかに今よりもはるかに雪の量は多く、当時のブランカ山群の迫力は今以上であったのは間違いありません。
名峰ワンドイを望む4800mの展望台
ブランカ山群の特徴は、道路が発達していることです。山々を望む展望台まで車でアクセスすることができます。
その中でも一際美しい山がワンドイ(6395m)やワスカラン(6768m)、チョピカルキ(6354m)です。
赤道直下のブランカ山群では、夜明けの時間はちょうど6:00頃です。
まだ星が瞬く深夜に町を出て、車で展望台(4800m)を目指します。
天の川の下、うっすらと浮かぶワンドイが見えてきます。反対側を見れば、ワスカランとチョピカルキも聳えます。
標高4800mの寒さに凍えながら、夜明けの黎明に山々が浮かび上がるのを望みます。
紫色に静かに輝く山頂部に、最初の陽光が当たると燃え立つように橙色・赤色へと変化するでしょう。
ブランカ山群で最も美しい時間帯は、間違いなく、この夜明けの黎明の時間帯なのです