“世界一美しいカモメ”と呼ばれるアカメカモメのトレードマークは、大きな目を縁取る真っ赤な環の模様です。そして、足もまた美しいピンク色です。
サウス・プラザ島に上陸して、眺めの良い崖沿いを歩くと、アカメカモメの営巣地がありました。つがいで卵を守っているようですが、人が近づいても全く敵意を示さないのが、ガラパゴス諸島ならではです。
カモメというと好戦的なイメージがありますが、アカメカモメは戦いを好まないために、行動は主に夜間に始める世界でも珍しい夜行性の鳥です。夜間の海に飛び込み、小魚やイカを主食としています。
昼間は、グンカンドリが制空権を握っているため、厳しい生存競争の末に、夜間に活動するという適応をしたのでしょう
多くのカモメは何個もの卵を産みますが、アカメカモメは一個しか卵を産みません。天敵のいないガラパゴスでは無事に子育てを果たす確率が高いために、進化の過程でアカメカモメは卵一個だけを確実に守るようになりました。
アカメカモメが若鳥から成鳥になるまでの約5年間は、ガラパゴス諸島を離れて、エクアドル、ペルーの沿岸部で生活をします。そして、繁殖期を迎えるとガラパゴス諸島に戻ってきて、営巣して子孫を残します。
アカメカモメの生態一つを見ても、ガラパゴス諸島に最適化した遺伝子レベルの本能を知ることができます
※アカメカモメ(学名):Creagrus Furcatus
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