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数年に一度だけ出現する奇跡の自然現象
チリ・アタカマ砂漠では、3~5年に一度、わずか2週間ほどだけ砂漠が花畑「フラワーリング・デザート」に覆われます。
世界で最も乾燥した地域で普段は荒野ですが、花が開花すると地平線まで、どこまでも花に覆われる。内陸部では主に紫色の花「パタ・デ・グアナコ」というスベリヒユ科の花が咲き、空から見下ろせば砂漠が紫色に輝いて見えるほどです。
砂漠の地中に眠る無数の種は、まるで示し合わせるかのように一斉に芽をだして、一ヶ月もすると花を咲かせます。早く花を咲かせるために、葉を大きくするよりも、まず茎を上に上に伸ばして、たくさんの花を咲かせることを優先しているようにも見えます。
砂漠に眠る種子が芽吹くサインとなるのは「水分」です。ある一定の降水が地中に染み込まれると芽吹き始めると言われています。
世界で最も乾燥している大地ですが、太平洋上にエルニーニョ現象が発生すると、霧や雨を砂漠にもたらします。エルニーニョ現象と連動して花畑が出現することが多いのです。
2021年の「フラワーリング・デザート」
今年はまさに今が見頃となっているそうです。おそらくあと1週間もすればもう花畑は消えて砂漠に戻っているのではと思います。
エルニーニョ現象に関しては、今年は発生していないので、エルニーニョ現象とは関係なく、3~8月頃まで定期的に雨が降ったのでしょう。
現地の新聞記事で、この自然の花畑に人の手を加えて、毎年発生するようにする計画があるそうです。現地でも反対意見も多くまだ実行はされていないようです。
人の力の及ばない自然の摂理により出現するからこそ、人はロマンを感じて集まるわけですので、人為的な観光地化にならなければと思います。
とはいえ、地平線まで広がるほどに広大な砂漠で、人の手で操れるのはほんのわずかな面積だけですので、「フラワーリング・デザート」の魅力が損なわれることはないはずと思っています。
【動画】砂漠が花に覆われる:チリ・アタカマ砂漠の絶景
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