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風景写真家・松井章のブログ

牧童ガウチョの故郷:サン・アントニオ・アレコ村/オンブ牧場1日観光①

ブエノスアイレスを取り囲む大草原パンパ

アルゼンチン・ブエノスアイレスと言えば、タンゴという印象が強く、ほとんどの日本のツーリストはブエノスアイレスをわずかな滞在で通り過ぎてしまいます。

ブエノスアイレスの一般的なイメージは「南米のパリ」と呼ばれる洗練とした街並みですが、ブエノスアイレスを取り巻く大草原パンパに目を向けると、さらにブエノスアイレスの深い魅力に気づくでしょう。アルゼンチンは大草原パンパの国であり、ブエノスアイレスもまたパンパから生まれた存在であり、パンパ無くしてブエノスアイレスは成り立たないのです。

ブエノスアイレス発着:オンブ牧場日帰り観光

ブエノスアイレスに丸一日滞在して、大草原パンパを体験するツアーが「オンブ牧場日帰り観光」です。
パンパの主役である牧童ガウチョの生活と文化に触れて、アルゼンチン伝統料理アサードを牧場で食す観光です。
ガウチョの故郷サン・アントニオ・アレコ村を訪れてから、オンブ牧場で半日過ごします。

アルゼンチン建国の原動力となった草原パンパを訪れて、アルゼンチンの原点を感じましょう。

大牧場「エスタンシア」と牧童ガウチョ

“牧場”と聞くと日本の牧場をイメージしてしまいますが、アルゼンチンの牧場は「エスタンシア=大牧場」と呼ばれます。杉並区ほどの面積を持つ巨大な牧場もあり、数千頭の牛や羊を保有しています。
馬に乗り牛や羊を追う牧童ガウチョは、アルゼンチン建国の前後の時代には軍事力をも持ち、独立に大きく貢献しました。このことから、牧童ガウチョはアルゼンチン独立の象徴であり、今も尊敬される存在なのです。

ガウチョの故郷:サン・アントニオ・アレコ村


日本の約8倍の面積を誇るアルゼンチンの大半は大草原パンパに覆われています。巨大な牧場エスタンシアが国土の大半に広がり、牧童ガウチョは今も馬を駆り、草原で生きています。
これらのガウチョの故郷のような場所が、サン・アントニオ・アレコ村です。ブエノスアイレスから約120km離れた村は、往時の賑やかさを想像できないほどに今ではとても静かな村です。

スペイン植民時代の遺物である古い石畳の道を歩けば、何件もの銀細工の店を見かけます。牧童ガウチョの馬具の装飾品として、銀細工の村としても、サン・アントニオ・アレコ村は有名です。

毎年11月に開催されるガウチョの祭りは、アルゼンチンのガウチョの祭りで最も重要な祭りとして、アルゼンチン中からガウチョたちが一堂に会します。

銀細工の馬具装飾:ガウチョ文化

アルゼンチン建国に貢献したガウチョはかつて、騎馬を通した軍事力を背景に大きな影響力を持っていました。富もまた集まり、その中で発展したのがガウチョが身に着ける銀細工の馬具です。

南米大陸はかつて世界の銀相場を変えるほどに銀を算出しました。その銀の産出国であるアルゼンチンで、銀細工はガウチョ文化と融合して花開いたのです。

村の工房では、今も銀細工の制作は続けられています。オンブ牧場に行く前にはこの村の銀細工の工房も訪問します。

ルネッサンスを生み出した南米大陸の「銀」

南米産の銀が世界に与えた影響の最も分かりやすい事例がヨーロッパの「ルネッサンス」です。1500年代にスペインが南米から吸い上げた銀がヨーロッパに渡ることで、世界の文明の中心はアラビアからヨーロッパに移り、「ルネッサンス」という華麗な文化運動が花開き、今日のヨーロッパの繁栄の原点となったのです。

関連ページ:アルゼンチンとガウチョ

レンソイス・トレッキング:馬とともに歩く

牧童ガウチョの故郷:伝統料理「アサード」/オンブ牧場1日観光②

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