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チリ・アタカマ砂漠の花園
チリ北部、アタカマ砂漠は地球で最も乾燥した大地と言われます。
地平線まで砂漠の世界が、3~4年に一度、わずか10日間だけ、花が砂漠を埋め尽くす。
車で数時間走っても、どこまでも花が咲いているほどです。
そして、空気には花の香りが充満しています。
現地では「砂漠の花園」と呼ばれる花の一斉の開花は、エルニーニョ現象と深く関係しています。
海水温が上昇するエルニーニョ現象では、一般的には南米大陸の西岸に雨をもたらすことが多いです。
アタカマ砂漠の地中に眠る花の種は、このエルニーニョ現象による降雨を待っているのです。
雨と言っても日本の梅雨のような雨ではなく、霧雨のような前です。
太平洋から流れて来る濃霧は、アタカマ砂漠に少しずつ水を落とします。
この小さな降雨の蓄積が数ヵ月ほど続くと、ある日、一斉に種から芽を出し始めるのです。
発芽すると成長は早く、葉を出すよりも早く、ぐんぐん背を伸ばし、わずか数週間で花を咲かせます。
まるで示し合わせたかのように、花は一斉に咲き地平線まで覆います。
飛行機から地上を見ると、砂漠が花の色に輝いているほどです。
このとき、花のリズムに合わせて、蝶も大発生します。
花畑と同じくエルニーニョ現象に合わせて生きる不思議な蝶です。
わずか10日間ほどで花の受粉を助け、蝶もまたいつ来るか分からないエルニーニョ現象を待つことになります。
世界には、砂漠が花に覆われる場所がいくつかありますが、発芽が不定期であることを踏まえると、アタカマ砂漠の花園は唯一無二の存在と言えるでしょう。
【動画】砂漠が花に覆われる:チリ・アタカマ砂漠の絶景
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