イギリスの基地・ポートロックロイは、静かな湾に守られるようで周囲の海は凪いでいる。
1944年にイギリスの最初の基地として建てられ、南極半島における捕鯨船の前線基地の役目を果たした。
現在では基地は観光スポットとして有名となり、お土産屋がある。
ここにはポストがあり、約1ドルほどでハガキを送ることができる。
お土産屋の横には、当時の基地の様子を残した博物館も併設されている。
気象観測をしていた基地の職員の生活は忠実に残されていて、今にも当時の人の声が聞こえてきそうな気さえしてくるだろう。
基地の建物の周りは、ペンギンのルッカリー(集団営巣地)だ。
基地に暮らす人よりもはるかに多いペンギンに、基地の島は半ば占拠されていた。
鈍色の空と黒い海はどこまでも寂しげで、最果てらしい寒さの中で、ポートロックロイはかつての人の生活を静かに偲ばせていた。