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アンデス高原だけに生息するラクダ科の「アルパカ」
南米アンデス高原を象徴する動物として、「アルパカ」をイメージする人は多いでしょう。アルパカの生息範囲は、標高3500~4500mの乾燥した高原地帯です。長大なアンデス山脈に沿うように、アルパカはペルー・ボリビアを中心に、エクアドルやアルゼンチン、そしてチリに生息しています。
ラクダの原産地はもともと北米大陸で、ユーラシア大陸に渡ったラクダとは別に、南米大陸に渡ったのが、現在のアルパカ、リャマ、ビクーニャ、グアナコに分かれました。
先インカ時代から続く人とアルパカの歴史
アルパカと人の歴史はとても古く、インカ帝国以前の先インカ時代から、少なくとも2500年以上は続いています。既に野生のアルパカは存在しなく、全てのアルパカは人との共生で成り立つ家畜なのです。
アルパカの毛皮は、保温性が極めて高いことから高級な毛織物として販売されています。大型のラクダである「リャマ」が荷役に使われますが、アルパカは主に毛を産出するために放牧されています。
赤ちゃんのアルパカ(ベビー・アルパカ)のマフラーであれば、2~3万円はするほどです。毛以外にも、古代アンデスの人々は医薬品や宗教的な儀式にも活用しました。アルパカの肉は脂が少なくヘルシーな食材して、今はツーリストにも人気です。
日本でマスコット化するアルパカ
日本ではこの20年ほどでマスコット・キャラクターとして定着してきた感があります。(株)クラレの企業CMでアルパカが登場したことで、アルパカは人気を博してきました。栃木県には「那須アルパカ牧場」で、アルパカの実物と触れ合うこともできるようになりました
もふもふの毛に覆われた愛らしい顔は、草食動物ならではの穏やかな性格を感じます
アルパカと出会える場所
アンデス高原に広く生息するアルパカですが、どこでも簡単に出会えるわけではありません。アルパカを確実に見れる場所は限られているからです。観光地では、ペルーの古都クスコで見ることができます。クスコでは観光用に連れてこられたアルパカを街中で見ることができるでしょう。
放牧されたアルパカを見るには、標高4000m前後の高原に行く必要があります。たとえば、ペルー・アレキパ近郊の高原、ペルーとボリビアのチチカカ湖の周辺部、そしてボリビアのウユニ塩湖からアタカマ高地のシロリ砂漠にかけて、アルパカは多く生息しています。