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約2500mの大岩壁を望む
「アコンカグア山頂の嵐(チボル・セケリ著)」は、学生時代の愛読書の一つであった。山頂部の嵐の描写とともに、人間の心理や葛藤を、最高峰アコンカグアという山を舞台に書き上げた名作だ。南米大陸への憧れや方向性を決定的にするようなインパクトのある本であった。
南米最高峰アコンカグア(6960m)は、アルゼンチンとチリの国境に位置する。チリの首都サンティアゴからのアクセスが良いのでチリの山と思われているが、山頂部だけではなくルートも全てアルゼンチン側にあるので、アルゼンチンの山と認識する方が正しい。
基点となる町は標高約800mの「メンドーサ」だ。アルゼンチン一のワインの産地であり、アンデスの山麓に広大な葡萄園とオリーブ園が広がる。
日本ではチリ・ワインが有名だが、それは多分にチリの立地が太平洋側にあることによる。チリ・ワインは日本への海路でのアクセスが良いので輸送コストが引くため、さらに関税が低いのでとても安値なのだ。アルゼンチンのワインは、ブエノスアイレスから送るので大西洋側となり、販売先も自然とアメリカやヨーロッパが中心となる。
南米大陸を南北に貫くアンデス山脈も、首都ブエノスアイレスよりも、チリの首都サンティアゴの方が近く、アンデス越えを含むものの陸路で約5時間ほどでアクセスできるのだ。メンドーサとサンティアゴを結ぶ、この峠は、19世紀始めにアルゼンチンの英雄サン・マルティン将軍が、スペインからのチリ独立を支援するために越えた友情の峠としても有名だ。
アコンカグアを展望するには、テント泊のトレッキングが必要となる。登山口オルコネス(2980m)から出発して徒歩約4時間で、ベースキャンプであるコンフルエンシア(3350m)に到着する。このベースキャンプはアコンカグア登頂でも基点となるので、シーズン中の12月~2月は、ちょっとしたテント村になる。展望トレッキングでも、このベースキャンプが基点なのだ。
展望トレッキングでは、ベースキャンプに連泊をして、南壁の展望台(4080m)を目指す。この展望台からは標高差2500mの大岩壁を望むことができ、アコンカグアを間近で望める唯一の展望でもあるのだ。南米最高峰を登頂することは叶わないが、その展望を楽しみに行くのはいかがだろうか。
トレッキングのレベルとしては、決してハードではなく、高所順応日をしっかりと設けることで高山病の影響を十分に少なくできるだろう。ネパール・ヒマラヤをご存知の方であれば、ナムチェを往復するトレッキングと同程度といえば、イメージしやすい。
テントや食料などの共同装備はロバで運ぶので、ネパール・ヒマラヤと同じく、トレッキングは日帰り装備で歩く。
【トレッキング・データ】
・登山口(2980m)=コンフルエンシア(3350m)間:歩行距離/約6km、歩行時間/約4時間
・コンフルエンシア(3350m)=南壁展望台(4080m)間:歩行距離/約6km、歩行時間/約6時間
※歩行時間に休憩時間は含めておりません
特別企画「アコンカグア南壁展望トレッキングと、イースター島最高峰登頂ハイキング 13日間」
★催行決定★ 2018年2月7日~2月19日
「アコンカグア南壁展望トレッキングと、イースター島最高峰登頂ハイキング 13日間」
南米最高峰アコンカグア南壁を展望するテント泊トレッキングでは、高所順応日を十分に予備日に設けています。そして太平洋の孤島イースターでは最高峰テレバカに登頂します。旅の最後は、モアイの立つ海岸で朝日を望みます。
※アンディーナトラベル・クラブ会員限定の特別企画です。ご興味のある方は、お問い合わせください。
アンディーナトラベル・クラブ専用ページ
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●詳細は、アンディーナトラベルにご入会のうえ、お問い合わせください。