レオナ牧場から草原を延々と歩くと、1時間ほどでビエドマ湖に着く。
人工物の何も無い草原で、風も吹いていなければ、聴こえる音といえば自分の足音だけになるだろう。
ビエドマ湖岸からはるか西の方角に、白波が立つ湖にまるで浮かぶように、フィッツロイ山群が見える。
内部にパタゴニア大陸氷床を抱くアンデスの山並は屏風のようにずらりと南北に聳える。
山脈の左側(南側)に、湖に流れ込む“ビエドマ氷河”が見える。
ここ数十年で一気に後退している氷河で、ビエドマ湖の水の大きな供給源だ。
ビエドマ湖岸にも宿舎がある。レオナ牧場が所有する“エステーラ牧場”だ。
ここに泊まると、誰もいない草原で、湖上に浮かぶフィッツロイの展望を独占することができる。