一頭の羊から取れる羊毛は、約4キロほどだ。
育つ土地の豊かさにより一頭から収穫できる羊毛の量も異なってくる。
刈られた毛は、作業台の上に乗せられて、すぐに選別される。
条件の良い毛から等級にいくつか分けて行くのだ。
こうして選別された等級ごとに、羊毛はブロック状に圧縮されて倉庫に積まれていく。
これらの作業には役割分担がされていて、毛刈り職人はひたすら刈り続けることになる。
パタゴニアの羊は、上等なメリノ種だ。
かつて2000万頭を超えるほどであった羊も、オーストラリアやニュージーランド、そして中国との国際的な価格競争に押されて、羊の数は減少の一途をたどっている。
開拓時代には“ゴールド・ラッシュ”ならぬ“ウール・ラッシュ”と呼ばれるほどに牧羊産業が熱狂していたものだが、
その羊が担っていたパタゴニア史も大きく変わろうとしている。