南極ブナの中で、厳しい環境に応じて姿を変えることができるのが、「ニレ」だ。
常に強風が吹くような場所では、地を這うように背を低くする。
日本の山におけるハイマツのような存在だ。
レンガと違い、冷涼な厳しい場所で小さなブッシュを形成する。
風に対する耐性が強く、レンガと違い、風で倒木することは稀だ。
小さなブッシュなので、大木になることはないが、樹齢200年のニレも確認されている。
秋には、一番最初に紅葉し始める。標高の高い斜面から、徐々に紅葉前線が下がってくる。
ニレはその最前線に生息する南極ブナなのだ。
*Ñire: Nothofagus antarctica