早朝、まだマチュピチュ村からシャトルバスが大量に来ない時間帯、マチュピチュ遺跡はとても静かだ。
マチュピチュ遺跡では、石切場が好きだ。
今では遺跡のいたる所がロープで区切られて立ち入り禁止になり、監視員が目を光らせている。だから、マチュピチュをじっくりと時間をかけて見れる場所は意外に少ない。
石切場では、道を少し外れると人もいなくなり、放置された岩が散らばる原っぱの向こうに、マチュピチュを見ることができる。
かつて、マチュピチュ遺跡の建設に使用された石材は、この石切場で切り出され加工された。乱雑に岩が散らばる区画が石切場だ。まだマチュピチュは建設途上で完成する前に、スペイン人を端に発するインカ帝国の崩壊が起こってしまったのかもしれない。
朝のマチュピチュはあいにくの曇りであった。前方の高台のインティワタナ(日時計)も、ガスからときおり姿を現すが、ワイナピチュはなかなか姿を現さない。
石切場の岩の一つの上に陣取り、数時間マチュピチュを見て過ごした。