夜の暗闇が訪れると、チチカカ湖の夜空は満点の星空だった。
東の空に“天の川”が現れると、宿の庭に三脚を据えて、じっくりと星空に向き合う。
その前の夕食時に、ボリビア産の“Aranjuez”というワインをいただいたので、3杯ほど飲んでいた。高所なので酔いの回りが早く、おかげで星空撮影の時には、アンデスの初冬の寒さをあまり感じずに臨むこととなった。
撮影した写真を見ようと小さなモニターを覗き込むと、チチカカ湖の東側に光が写りこんでいることが分かった。一番大きな光は、約120キロほど東にある首都ラパスだ。
そして、湖岸に沿って、小さな光がポツポツと写っている。一見すると真っ暗で無人に見えるチチカカ湖沿岸には、予想以上に多くの人の暮らしがあったのだ。
時間が経つにつれて、レアル山群の周りに雲が湧いてきた。
月の光が足りずに、“月明かりに浮かぶレアル山群”を写せなかったのは少し残念だった。
星空撮影を始め、日没や朝焼けの写真を撮るためには、どこに宿泊するかが最も重要だ。
現場には最も近く、展望を遮る障害物が少ない、そのような条件の良い場所をベースにして、撮影にじっくりと取り組みたいものだ。