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パタゴニア南部氷原(大陸氷床)
“風の峠”デル・ビエント峠から見下ろせる小さな湖が今日のキャンプ地だ。
5日ぶりに植物の生える下界に下りてきた。湖は緑の草でみずみずしく覆われている。
上から見ると、そのキャンプ地は緑の小さな染みのようだ。
ここまで来れば大丈夫だという安堵感も嬉しい。
ビエドマ氷河のサイドモレーンの窪みにできた湖は、周囲の風からも守られている。
荒れれば人が飛んでしまうほどの風が吹く“風の峠”も、今日は静かなようだ。
植物は草や灌木だけで、木は生えていない。まだ氷河が後退してから、そう長い月日は経っていないのだろう。
ビエドマ氷河の中流から、いよいよ末端部へと、さらに下りて行くことになる。