グアナコを撮影するには、パイネ国立公園が最も適した場所と言えるでしょう。
グアナコは、南米に生息する4種のラクダ科の一つです。
有名なラクダといえば、リャマ、アルパカ、そしてビクーニャです。これらの3種類は、標高約3,500m以上の高地アンデス山脈に生息しています。グアナコも含めた4種類には、それぞれ特徴があり、生息環境や生息様式が異なります。
グアナコは、北部アルゼンチンと北部チリのアタカマ高地周辺より以南に生息しています。アンデス山脈ではなく、草原に広く生息していてます。リャマやアルパカと違い、人に懐くことはない点は、ビクーニャと共通しています。
パタゴニアでは、移動中も車から、牧場(エスタンシア)内で草を食むグアナコの群れを見るのは、割と簡単です。10日も滞在すると、グアナコを見かけることに飽きてしまうほどです。
もし撮影をするとなると、場所を選ぶ必要が出てきます。
高速道路のように高速で走るパタゴニアの道路では、グアナコを見つけたらすぐに止まれるほど簡単でもなく、牧場の有刺鉄線より中には入れないので思うようには近づけません。
グアナコは国立公園で保護されていることを知っているためか、パイネ国立公園の敷地内にたくさん集まっています。牧場の敷地では羊と同じ草(コイロン)を好んで食べるために駆除されることが多く、彼らにとってはパイネ国立公園は安全地帯であるのを本能的に悟っているのでしょうか。
グアナコの群れを見つけたら、じっくりと時間を取りたいところです。
息をひそめて少しずつ近づけば、グアナコは警戒心を緩めるので、至近距離で写真を撮ることも可能です。