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キューバの平和
「野良犬が幸せそうに昼寝している国は、国の幸福度も高い」ということがある。
その点で言うと、キューバはとても幸福な国であると言えるだろう。公の市庁舎の前であろうと、まさにおかまいなしに野良犬が幸せそうに昼寝をしているのだ。そして、そのような犬の近くには、引退した老人たちがやはりのんびりと歓談していたりする。
それはキューバでは、いたって普通の光景である。
キューバ革命の奇跡
昨日12月2日は、グランマ号がキューバに上陸した日であった。1956年、フィデル・カストロが率いる武装集団82人が、小さな船・グランマ号にすし詰めになりながら、メキシコから到着したのだ。上陸と同時に、バティスタ政権の激しい攻撃を受けて、12名にまで減ってしまう。
この時のカストロの一言、「これでバティスタの命運は尽きたな」は、あまりにも有名な言葉である。“神秘的なまでの確信”とともに、12人で武装蜂起を開始して、カストロはバティスタを打倒することになる。
フィデル・カストロの伝説的な演説
キューバ革命を達成したカストロは、首都ハバナで演説をする。興奮した数十万人の群衆は、カストロが現れると、愛称で“フィデル!”と口々に叫ぶ。その喜ぶ群衆を前に、キューバ国民を戒めるような有名な言葉から始める。※スペイン語で、カストロの煽るような声で聞く方が、はるかに心に響くだろう。
“La tiranía ha sido derrocada. La alegría es inmensa. Y sin embargo, queda mucho por hacer todavía. No nos engañamos creyendo que en lo adelante todo será fácil, quizás en lo adelante todo sea más difícil.”
「圧政は倒された。この上ない喜びだ。しかし、やるべきことはたくさん残っている。未来を楽観視して、自分をごまかしてはいけない。恐らくこれから先は皆にとって、さらに困難になるだろう。」
言葉通りに、早速キューバには困難な時代が始まるのだ。
そして、バティスタ政権を打倒したのは、“キューバ革命”の始まりに過ぎず、今もなおまだ革命は続いている。
革命が達成されるまで、カストロが髭を剃ることはない。
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