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果てしない雪原を歩く
雲が湧きはじめると、上空の激しい気流のため雲の動きも早く、すぐに天候も変わります。
高度の高い雲の動きは止まっているように見えますが、上空では激しい風に流されてレンズ雲となっています。
パタゴニア独特の雲といえるでしょう。
快晴の下、雪原の上にいながら暑ささえ感じていましたが、陽が遮られると一瞬で気候は変わり、凍てついた冬の様相を帯びて来ます。
一度荒れれば、人も吹き飛ぶような嵐も頻繁にある大陸氷床では、祈るような気持ちで歩を進めるだけです。
延々と続く雪原歩きも、最初こそは興奮して楽しめますが、一向に進んでいるように感じられない広大な雪原で、徐々に疲れが先行していきます。
そんな疲れを感じながらも、前方を見れば、確実に少しづつ、セロトーレに近づいているのが分かります。
最初は先端のみが見えていたセロトーレも、徐々にその針峰を現したときに、ようやくキャンプに到着します。