トレス湖への斜面では、南極ブナ・レンガの適応能力を分かりやすく目にする事ができます。標高約700mから標高約1,100mまで上がるにつれて、南極ブナの背も低くなっていきます。標高が上がるにつれて、気温だけではなく、風も強くなることで、植物にとっての生育環境も厳しくなります。
この環境の変化に応じて、南極ブナは木の高さや容姿を変えて、それぞれの環境に適応しています。
標高700mほどで風のあまり当らない森では、樹高は15mくらいになります。小さな森ができる事で、そこで育つ幼木にはさらに風が当たりづらい環境となり高く成長できる、この成長の循環の中で森は成長して、木々もより高く育てるようになったのでしょう。
上の写真も、下の写真も、同じ南極ブナ。
南極ブナに着生するサルオガセ。この地衣類が育つ環境は空気が綺麗な場所だけですので、この植物を多く見かける地域はそれだけ空気が澄んでいる事を意味します。