ブラジルの食の名物「シュラスコ」は、牛肉をメインとした焼肉料理です。巨大な鉄の串に荒塩をふって焼いた焼肉で、様々な部位が供されます。日本でイメージするBBQと較べると、シュラスコは遥かに奥深い料理です。
シュラスコの専門店では、ウェイターが巨大な鉄の串に刺した部位ごとの焼肉と、やはり巨大なナイフを持って、延々とテーブルを回り切り分けてくれます。
「参りました」と言うまで食べることになります。食いしん坊の方にとっては、食の格闘技といってもいいでしょう。食い意地を張って前半でスピードを飛ばして食べると、後半で苦しみますので、たしなみながら優雅に食べる心の余裕が必要です。
また、延々と回る焼肉は部位ごとに違うので、自分が好む部位が欲しい時に来るわけではありません。回ってくるものを全ていただいていると、希望のお肉を食べる前に満腹になる可能性があります。笑顔でやってくるウェイターを、笑顔で断る勇気も必要となります。
シンプルとはいえ洗練された味付けと、肉の部位の種類が多い「シュラスコ」。きっと初めての味との出会いもあるはず。ブラジルでは、ぜひ試していただきたい名物料理です。