「イドロ・アイセン」計画とは、チリの中部パタゴニア(アイセン地方)のベイカー川とパスクア川に、32億ドルの投資により計5基のダムを建設する大計画です。このダムは水力発電用として建設され、発電した電力は2000キロ北にある首都サンティアゴに供給される予定です。この長大な送電線の敷設のために森林も破壊されることになります。ダムが川に与える影響とともに、森林にも大きな影響を与えるのです。ダム建設では5,000人の労働者も入ってくるという事で、建設に伴い発生する影響はかなり多岐に及びます。
このダム建設には依然から、チリで反発を呼び、反対活動が行われていました。地元のアイセン地方では、牧場の牧童たちが馬に乗り、デモをして中止を訴えていました。アイセン地方の町・コイヤイケでは、この反対活動のポスターを見受けます。
先月の末に、このダム建設計画が一旦中止となりました。企業や市民の働きかけもあり、頓挫した形です。ダム建設の是非に関して、環境に与える影響を中心に調査を再度行い、決定することになったのです。これは計画の後退を意味しますが、まだ中止の決定ではないので、見守る必要はあるでしょうが、地元の人々(もちろん逆に賛成派の方もいるはずですが)も一旦は落ち着けるのではと思います。
●「チリ・パタゴニアのダム建設にNO」:
http://calafate.seesaa.net/article/290490802.html
●Without Dams :http://www.sinrepresas.com/index.htm
Capilla de Marmol