自分が持っている森羅万象への常識は、かなり小さな定規で測られていることがほとんどだ。それを痛感して、常識を大きく更新した場所が、世界で二か所ある。ギアナ高地とパタゴニアである。つまり、人生を変えてしまうほどの衝撃であったのだ。
地球の大陸移動(プレートテクトニクス)の回転軸に位置すると考えられているギアナ高地は、南米大陸の北部・ベネズエラに位置する。
山麓から望む、クケナン
巨大なテーブルマウンテン・ロライマは、密林から軍艦のように屹立している。その山上には6億年前のゴンドワナ大陸の生物が今なお進化から残されて存在する。下界とは異型の植物が生え、原始のカエルは未だに跳ぶことを知らずに歩く。水晶の谷には、その名の通り一面にぎっしりと水晶が落ちている。約1000mの絶壁から、そして山麓のサバンナから見渡す、テーブルマウンテンのはるかな絶景。そして、世界最高落差のエンンゼル・フォール。毎日が驚きの連続である。
水は赤色だ。植物から染み出るタンニンで赤く染まっているためだ。川も湖も赤。上空から見下ろすと、広大なジャングルに網の目のように巡る川が、赤い。ここでは、水といえば赤である。そういう常識なのだ。
私達が日々暮らす世界はあまりにも小さく、未知の領域は無限ともいえる広さなんだ。それを実感できる経験は、人生でそう何度もあるものではないだろう。パタゴニアとギアナ高地は、そういう場所だ。
まさに「オーパ!!」である。
奇怪な岩が無数にある
ロライマ山上を歩く
パイナップル科の植物が多い
食中植物・モウセンゴケ
食中植物・ヘリアンフォラ
水晶の谷
水晶が無数に散らばる
ロライマ山を望む
山麓には、広大な草原が広がる
ロライマ
エンゼル・フォール
エンゼル・フォールへ、このボートで急流をさかのぼる