先住民テウエルチェ族は、かつてパタゴニアに広く住んでいた大きな部族だ。南はマゼラン海峡から北は中部パタゴニアまで南北約1,000キロほどになる。
「手の洞窟」は、彼らの遺した数少ない遺物の一つだ。
岩屋(または洞窟)の壁面に、手形が描かれている。これは手を壁に当てて、鉱物の絵の具を吹き付けることで描かれた。手形以外には、当時の狩猟風景を彷彿とさせる動物や人の姿が描かれて、約9,000年前まで遡るとも言われる。
数千年もの間、同じ場所が住居として使用されていた可能性があるのだ。
想像すると、ぞくぞくするような話だ。