月面にいるかのような、荒野の多彩な景観のなか、チリ国境へと南下を続ける。
人の姿も全く見なくなり、ここは文明から切り離された別世界だ。
いくつも越える峠では、標高は4,800mに達する。
シロリ砂漠のラグーナ・コロラダから南は、「エドゥアルド・アバロア野生動物保護区」となる。
保護されていることを知ってか知らずか、絶滅危惧種のビクーニャも集まっている。
ラグーナ・コロラダの水は、プランクトンと藻の影響で色が赤い。時間による光線の角度や天候で見える色は異なるので、必ず赤く見えるとは限らないだろう。
岸では温水が湧き、蒸気がもうもうと上がっている。
その蒸気の向うに、何百羽ものフランミンゴの大群を、運よく見ることができた。