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モノクローム写真で見る、ケチュア族の暮らし
アンデス山脈で氷雪峰が集中するブランカ山群は、その豊富な水源から大地の豊穣さを保証された土地です。先住民ケチュア族は古来からこの地の豊穣を見抜き、多くの人々が山麓に集中して暮らしてきました。
畑を耕せば、古代の遺物が掘り起こされてきて、無造作に路肩に積まれていたりします。
「白い」を意味する「ブランカ」を冠した山群は、この100年の気候変動により急速に雪が減り、氷河はみるみる後退しています。水源が減ることで川の水も減り、山麓の農業をも疲弊させてしまう。山からの豊穣を頼りに生きてきた人々に、大きな変化がじわじわと押し寄せてきています。
豊穣な大地の富とは逆説的に、人々の富は数百年に渡る統治システムに収奪されて、貧しさが固定化されているのも一つの現実です。
壮大な山々の展望だけではなく、山麓に住むカラフルな民族衣装をまとうケチュア族の暮らしを目にするのもまたアンデスの旅の魅力です。